美容師は学歴比較大会から外される

独身の頃の話だが、コンパニオンのバイトで知り合った友達に連れられて合コンにいくことがあった。そこでは、まず自己紹介をする。それぞれのスペックを披露するわけだ。

20代の頃は特に学歴の話になる。「仕事何してるの?」の次に「大学どこ?」。
趣味や特技より、まず大学だ。特に男性は出身大学によって大きく優劣がつく。
「東大」「京大」なんて答えが返ってくると、女性陣はわかりやすくその男性に加点をする。高学歴だと聞くとグッと素敵に見えるし、低学歴であれば途端にしょうもなく見えるのだ。

女性陣も私以外はみんな大学を出ている。そこで「美容師です」と告げた時点で私は学歴比較大会から外れる。

大抵は「へえー。手に職、いいね」とか「今度髪切ってくれる?」とか言われて終わりだが(タダで切るわけないだろう)、一度、早稲田卒のアホ男に「ヘタに賢くてお高く止まってるより、多少頭が悪いくらいの方が女はかわいいよ」と言われたことがある。

初対面なので「はあ……」と答えたが、内心ブチ切れていた。

はあ? あんた何様だよ? なんで“美容師イコール頭悪い”なんだよ。私だって行けるもんなら大学に行きたかったわ! ていうか学歴で何がわかるんだよ! 早稲田出てたってろくでもないってことをあんたが証明しているくせに。あんたみたいな全身ダサい男が上から目線で私をジャッジするな!

結局こちらも相手を見た目でジャッジしているので同じレベルだ。しかし、首周りにシルバーのスタッズがついたピタピタの小さい黒Tシャツに、お尻に「DREAM」とペイントされたジーンズは流石にないだろう。

あれは悔しかった。今でもあの時なんて言い返せばよかったかふと考えてしまう時がある。「少しはファッションの勉強もしたほうが良いのでは?」はどうだろうか。