フットワークが軽くて神出鬼没
――演じる梶谷吾郎は、どんな役でしょうか?
松江新報の新聞記者という役ですが、本来の僕とは違うところでいうと、結構パワフルで、人にどう思われているかもあまり考えていないというか。自分の正義はこれだというものはありつつ、時代によって変化していく正義のもろさみたいなのも知っていると思います。
だから、フットワークが軽くて神出鬼没。梶谷の正義とは読者が喜ぶことで、何が正しいかよりも、単純に読者が湧くかどうかを考えているような気がしています。「風を吹けば、何かが起きて実る」というような感覚があって、取材も正攻法で聞いていくのが、僕の中にある梶谷のイメージです。
――トキ役の高石あかりさんの印象を教えてください。
高石さんは、コメディのシーンが上手だと思いました。お笑いが好きなんじゃないかなぁ(笑)。大きな声を出すシーンでも、ただ声を張り上げるのではなくて、セリフに気持ちを乗せて、結果として声が大きくなっているという形に持っていけるのは、なかなか難しいと思います。面白い本を、ちゃんと面白く伝えてくれる人です。