阿波の孤島へと流された治済
前回、定信らが進めてきた”かたき討ち”の策は治済に察知され、間者である大崎は”毒まんじゅう”にて命を奪われてしまいました。
しかし蔦重の<将軍・家斉を取り込む>という案により、再び計画が動き出します。
その計画に従い、治済を伴って清水家の茶室を訪れた家斉でしたが、治済は警戒を緩めません。茶室で出された菓子も口にせず、まるで”毒見”させるかのように自らの分まで家斉に勧めます。
菓子を美味しそうに食し、続けて抹茶を飲んだ家斉。その様子を見てようやく安堵した様子を見せた治済は、家斉にならって茶を口にします。
ところが直後、家斉が崩れ落ち、動揺する治済も同じように昏倒。実は定信らが用意していた罠は、菓子ではなく茶に”眠り薬”を仕込むというものだったのです。
治済が眠っている間に、彼と瓜二つの能役者・斎藤十郎兵衛が影武者として城へ送り込まれ、本物の治済は阿波の孤島へと流されてしまうのでした。