女性の被害が多発している理由
ここ最近、被害が急増している特殊詐欺に「キャッシュカード詐欺盗」というものがあります。19年の認知件数は3773件(前年比約180%増)、被害額は52.1億円(同約175%増)。「オレオレ詐欺」と合わせると、特殊詐欺被害の約62%を占めています。
70歳以上の被害者が非常に多く、男女比でいうと女性が70%以上なのは、在宅率が高く、電話をとる機会が多いからだと推測できます。
被害を未然に防ぐために警察庁がおすすめしているのは、「自動通話録音装置付き電話」などの迷惑電話対策機器を使うことです。これは、電話がかかってくると「トラブル防止のために録音します」というメッセージが事前に流れ、自動的に録音を開始するもの。犯人はこの時点で電話を切ることが多く、特殊詐欺被害を防止するうえで高い効果を発揮します。
また、日頃から留守番電話にしておいて、メッセージを聞いて知っている相手だったら電話をかけ直す習慣に切り替えてもよいでしょう。高齢者は電話が鳴るとすぐに出てしまいがちですが、「電話に出ない」ことが何よりの対策になるのです。
また、誰であっても電話の相手は基本的には信用しないという意識を持つことが大切。もし、不審な電話がかかってきて心配なときは、身内や警察に相談してください。
《豆知識》
特殊詐欺の背景にいるのは?
特殊詐欺が生まれた背景には、深刻な問題となったヤミ金融の存在があると言われています。04年にヤミ金融対策法が施行されると、多くの業者が廃業。ただ、業者と利用者の金銭授受に使われていた銀行口座や顧客情報が残ったため、これを元に詐欺行為がはじまったと考えられているのです。
当初は電話をかけたあと、被害者にATMから送金させる手口が主流だったため、犯人側との接点がなく、捜査は難航を極めました。しばらくすると、被害者から直接現金を受け取る「受け子」や、ダマし取ったキャッシュカードで現金を引き出す「出し子」が現場に現れるように。
これは主犯格に捜査の手が伸びないよう、「高額アルバイト」として集めた一般人であることが多かったのですが、昨今、人員確保が難しくなり、詐欺グループ自らが担うようになってきています。検挙実績を見ると、暴力団関係者が主犯格を占める割合が約45%と、特殊詐欺には暴力団が深く関わっていることがわかります。
当初は電話をかけたあと、被害者にATMから送金させる手口が主流だったため、犯人側との接点がなく、捜査は難航を極めました。しばらくすると、被害者から直接現金を受け取る「受け子」や、ダマし取ったキャッシュカードで現金を引き出す「出し子」が現場に現れるように。
これは主犯格に捜査の手が伸びないよう、「高額アルバイト」として集めた一般人であることが多かったのですが、昨今、人員確保が難しくなり、詐欺グループ自らが担うようになってきています。検挙実績を見ると、暴力団関係者が主犯格を占める割合が約45%と、特殊詐欺には暴力団が深く関わっていることがわかります。