イルリサット・アイスフィヨルド
オーロラがイルリサットの街並みを優しく包む(撮影:富井義夫)
133の国と地域を旅して、625ヵ所もの世界遺産を訪れている写真家・富井義夫さん。40年以上にわたって世界中を巡ってきた富井さんによる、『婦人公論』での新連載「世界遺産を旅する」。第9回は、「アイスフィヨルド」をご紹介します

移り変わる氷と夜空の芸術

グリーンランド
グリーンランド

「ヨーロッパは北へ行くほど天気が悪い」とよく言われますが、飛行機を乗り継いでたどり着いたグリーンランドも、例に漏れず曇天でした。晴れを願う気持ちが通じたのでしょうか、最終日、滞在7日目にしてやっと快晴に! 白夜の中、夜通し夢中でシャッターを切りました

日本の6倍弱の面積があるグリーンランドは、約80%が氷床に覆われています。その分厚さは平均2000メートル。重みで下のほうの氷が変形し、横へ横へと広がっていくのです。この「氷河」が海面へと到達すると先端が崩れ、氷山になります。

世界遺産に登録されている「フィヨルド」とは、複雑に入り組んだ入り江を指す言葉。氷河が大地を削り、その部分に海水が流れ込むことで生まれた地形です。ダイナミックな景観や、氷に何十万年前の地球の歴史が刻まれていることが評価され、登録に至りました。