このような背景から、実際には緩和ケア病棟で亡くなっている患者さんは少なく、がん患者さんであっても多くが一般病棟で亡くなっています。
一般病棟には、いろんな科がありますので、必ずしも専門領域の病棟に入院できるとは限りません。
高齢社会で病院のベッドはいつも満床に近い状態です。そのため、ひとまずベッドが空いている病棟に入院することがスタンダードになっている医療機関もあるでしょう。消化器の病気だけど、ベッドが空いてないので耳鼻科の病棟に入る、というようなことです。
緩和ケア病棟には緩和ケアや疼痛コントロールに精通したスタッフがいますが、一般病棟には原則いません。がんなのに入院した先の病棟にがんのプロがいないといった事態はザラにある、ということです。
こういうところも、この国が死の質を高く保てない理由のひとつだと思います。
※本稿は、『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)
死を見つめることは、生を考えること。老いや死にも、準備と努力が必要です。
老いのプロセス、介護保険の仕組みと実情、終末期医療と緩和ケア、死の事前準備と終活、自分らしい最期を迎えるためのポイントなど、現役看護師だからこそ伝えられる、自分らしい最期の迎え方。





