悩む30代、40代

時はだいぶ過ぎて、30代前半になって結婚、出産に焦燥感を抱いていた頃。出版社に勤務する結婚経験のある女性の先輩(40代前半)が、こう言っていた。

「子どもが欲しい気持ちはあるけれど、仕事があるとそこまで到達できない。だから子持ちの男性っていいなあと思うし、ある日突然、成長した中学生の我が子が目の前に現れる……って妄想することあるかな」

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……一体どこからその発想が? “母親ロードマップ”に対して疑念ゼロの当時は、先輩の意見がよく分からず、話をさらっと流していた。続けてまだギリッギリ結婚シンドロームから抜けきれない40歳の頃。不妊の原因が夫の無精子症によるものと判明、さらに浮気までされて離婚した同い年の友人が、こう漏らしていた。

「シングルファーザーっていう人と、飲み屋で一緒になってさ。その人と恋愛どうのは考えられないけれど『あ、そうか。私、子どもがいる人と結婚したら、母親になれるのかもしれない』って思ったんだよね」

友人の話を受けて、まだ血気盛んだった私は「40歳ならまだ産める。そんな簡単に我が子をあきらめるな」と意見を否定した。それからずるずると時は流れ、更年期真っ盛りで閉経が近づくほどに年嵩が増した。婦人科でホルモン数値を調べると、もう自然妊娠の可能性が低い年齢だ。一人で老後を迎える準備も着々と進めている。そんな年齢になったからこそ思えるのは、恋愛をするならまず自分が地に足がついた人間であるかどうか。相変わらず仕事も頑張っているし、経済的自由もあるので、相手の条件などさほど重要ではない。それらを久本雅美流に表現するのなら「呼吸さえしていてくれたら」である。