無理のないペースで 緩い治療を長く続ける
山本 美容医療初心者の読者に共通してすすめる施術は?
関谷 フォトフェイシャルですね。年に1回の大掃除と思って毎年続けてほしい。中庸なマシンで肌の状態を底上げしてくれるんです。肌色がトーンアップし、清潔感も出ます。
山本 清潔感、大事ですね。それに、年に1回なら続けられそう。今すぐやりたい!
関谷 10月から3月くらいがベストです。光治療は軽くやけどさせるようなもの。紫外線が弱く空気が冷たくなる時期が、最も施術の効果が出やすいのです。彼岸から彼岸までと覚えるといいでしょう。
山本 なるほど。わかりやすい。たるみや深いシワの改善は?
関谷 ハリを与え引き締めたいならタイタン。凹みや影を膨らますならヒアルロン酸注入、表情ジワにはボトックス注射。輪郭ごと引き上げるなら溶ける糸を使うスレッドリフト。でも、部分的な悩みの解消より、水光注射やエレクトロポレーション、PRP療法で肌に栄養を与えて厚みや潤いを回復させ、顔を底上げするほうが有効なケースもあります。70代なら後者でしょうか。
山本 患者さんの年齢層って、おいくつくらいですか?
関谷 50代が一番多く、十数年通ってくださる70代、80代の方も。
山本 いざとなったら美容医療があると思うと勇気が湧きます。
関谷 もう何歳だから、という概念は捨ててほしいです。21世紀だからできる治療があり、可愛らしいまま年齢を重ねることは十分可能。それは次の世代にも希望を与えることになります。
山本 人生100年時代。諦めてなんかいられません!
美容医療施術用語解説
IPL(インテンス・パルス・ライト)と呼ばれる広範囲の光を照射し、肌の色ムラやくすみ、質感を改善。皮脂バランスを整えて毛穴を引き締め、血管にアプローチして赤ら顔のケアも。肌ダメージが少なく、効果が安定した光治療のロングセラー
タイタン
最適な波長の赤外線の光を照射するマシン。真皮に熱を集中させることで線維芽細胞の活動を促し、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを増やす。肌に厚みとハリを導き、引き締めも。痛みがなく快適
水光注射
真皮の浅い層に、広く均一に有効成分を注入する、韓国でも人気の美肌治療。表面全体の見た目と立体感を底上げする効果は、半年程度持続。塗る麻酔を使用するが、内出血や針の痕、赤みが数日間残る場合も
エレクトロポレーション
電気の力で細胞膜を揺らして一時的に角質層に隙間を作り、ビタミンCやヒアルロン酸などを一気に浸透させる。成分浸透率はイオン導入の約20倍。悩みに応じた成分を選んで
ヒアルロン酸注入
真皮の構成成分で、弾力や柔軟性をもたらすヒアルロン酸を肌に直接注入し、ハリとボリュームを再現。深いシワ、目の下の影、ほうれい線などの凹みの改善のほか、痩せたまぶたや頰、額に丸みをもたらす
ボトックス注射
ボツリヌス菌により産生される神経毒素を局所に注射し、筋肉の過収縮をリラックスさせる。眉間や口の下などの表情の癖を抑えシワを改善。多汗症の治療も。医師の技術と経験が足りないと表情が不自然に
PRP(自己多血小板血漿)療法
自分の血液を採取し、成長因子を大量に含む血小板血漿を抽出。それを肌に注入して、傷んだ部分の組織の修復を積極的に促す。スポーツ医学でも注目される再生医療。肌全体を深部から活性化し、ふっくらとしたハリを与える
スレッドリフト
特殊なトゲのついた極細の医療用の溶ける糸で、皮膚のたるみを引き上げるリフトアップ治療。傷痕は針穴程度で、施術直後から目に見えてわかる効果が約半年続く。目の下や顎、フェイスラインに効果的