《両国花錦闘士》

伊藤健太郎がナルシストの力士に

深い洞察力と徹底した調査力、そこへ新たな視点を加えて練り上げられる作品群で人気の漫画家・岡野玲子。夢枕獏原作のコミカライズで、のちの映画化にもつながる『陰陽師』ブームを作ったことでも知られる。本作でも岡野らしい筆致で笑いを交えつつ、“女人禁制のスポーツ”相撲の世界に迫る。美形でやせ型のナルシスト力士・昇龍役に、ドラマに映画にとひっぱりだこの伊藤健太郎、色白でぽっちゃり型だが相撲への情熱は人一倍の力士・雪乃童に若手実力派の大鶴佐助が配されたほか、相撲部屋の女将を紺野美沙子が演じるなど、明治座にふさわしい豪華な顔ぶれ。肩の力を抜いて、思い切り楽しみたい。

両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)

12月5~23日/東京・明治座
原作/岡野玲子(小学館クリエイティブ『両国花錦闘士』)
作・演出/青木豪
主題歌/デーモン閣下
出演/伊藤健太郎、大鶴佐助、大原櫻子、原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、入江甚儀、徳永ゆうき、岸本慎太郎(ジャニーズJr.)、根岸葵海(ジャニーズJr.)、大山真志、
橘 花梨、加藤梨里香、市川しんぺー、福田転球、伊達暁、紺野美沙子、りょう ほか
☎03・3666・6666(明治座チケットセンター) ※大阪、福岡公演あり

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《ドン・キホーテ》(c)Takuya Uchiyama

吉田都が芸術監督を務めるシーズンがスタート

吉田都といえば、英国ロイヤル・バレエ団で長くプリンシパル(ダンサーの最高位)を務め、世界中の振付家やバレエファンから愛されているトップダンサー。そんな彼女が新国立劇場バレエ団の芸術監督を務める2020/2021シーズンが、いよいよスタート! 船出を飾るのは、コロナ禍で今年5 月に上演中止となっていた『ドン・キホーテ』。バルセロナを舞台に町娘キトリと床屋のバジルが恋物語を繰り広げる、祝祭感あふれる演目だ。前任の大原永子元芸術監督のもとで研鑽を重ね、実力はもちろんスター性でも同バレエ団を盛り上げてきたダンサーたちと吉田が、どんな舞台を見せてくれるのか注目だ。

ドン・キホーテ

10月23〜25、31日、11月1日/東京・新国立劇場 オペラパレス
音楽/レオン・ミンクス 
振付/マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
改訂振付/アレクセイ・ファジェーチェフ 
芸術監督/吉田都
出演/米沢唯、木村優里、小野絢子、柴山紗帆、池田理沙子(以上キトリ)、井澤駿、渡邊峻郁、福岡雄大、中家正博、奥村康祐、速水渉悟(以上バジル)ほか
☎03・5352・9999(新国立劇場ボックスオフィス)