●必要なものを絞り込む
介護にあたっては、介護保険をいかに使いこなすかが一番のポイントになります。いまいちど本当に必要なサービスを吟味してみても損はないはず。例えばヘルパーさんにあれもこれもと頼ると費用はかさみます。ご両親は今どこまで自分たちでできて、何にサポートが必要なのか、しっかり観察を。
自治体によっては、紙おむつの支給、補聴器購入資金の助成など、独自のサービスを提供しているところもあります。そのほか500円くらいで見守りサービスをしてくれたり、傾聴に来てくれるボランティアなども。地域包括支援センターや最寄りの社会福祉協議会で、そうした情報も探してみてください。
情報は知るだけでなく、それを使いこなす知恵も大切です。弟さんが絶縁状態であれば、親戚やご近所さんなど、お金のかからない人間関係を築いて力を貸してもらいましょう。
責任感の強さや真面目さから、介護うつになる方は少なくありません。少し不謹慎かもしれませんが、完璧を目指さず「これぐらいでいいか」と、時には柔軟に考えてくださいね。
構成:
古川美穂
出典=『婦人公論』2019年5月28日号

1969年富山県生まれ。日本総合研究所在職中にFPの資格を取得し、98年に独立。がんや介護など自身の経験をまじえて、セミナーや講演、メディアで活躍中。書籍『親の介護とお金が不安です』の監修のほか、『病気にかかるお金がわかる本』(共著)など著書多数
婦人公論.jpをフォローすると最新記事の情報を受け取れます
おすすめ記事