重松 伊沢さんと言えば『高校生クイズ』(全国高等学校クイズ選手権、83年~)で二連覇を果たされました。
伊沢 入部当初は部員の数がひと桁くらいで、のほほんとしていたのが、『高校生クイズ』のおかげか、卒業する頃には、部員は60、70人に(笑)。今は100人くらいだそうです。
宮崎 すご~い。私もクイズは好きなので、伊沢さんにお聞きしたいことがあって。「競技クイズ」という世界があるそうですが、実際はどんなものなんですか?
伊沢 アマチュアが集まってガチンコで勝負するクイズ、とでも言えばいいでしょうか。だいたいが有志による大会で、そのつど、ナンバーワンを決めるんです。
重松 いつ頃からあったんですか。
伊沢 90年代後半くらいから形が定まってきたのかな。92年の『アメリカ横断ウルトラクイズ』終了後、しばらくは、視聴者参加型のクイズ番組のほとんどがなくなりました。その頃、アマチュアクイズ文化が生まれてきたんですね。
宮崎 番組がなくなるなら、自分たちでクイズをしようと。
伊沢 まさにそうです。ただ、クイズって究極まで突き詰めると面白さが減るんですよ。難しすぎると誰も答えられないから。かといって、みんなが解けるものだと差が生まれない。そもそも、クイズには「出題者・作問者」が必要ですが、競技クイズでは、プレイヤーが次の回には出題者にまわったりするんです。
重松 ということは、そのときの出題者が答えを全部知っているわけで、いちばん強い。
伊沢 だから、厳密な競技たりえない、という面はあります。
重松 競技クイズで早押しのときに、ボタンの押しやすい、押しにくいってありますか。
伊沢 いくつかボタンの種類はありますが、形は似ているので、あまりこだわっていません。ちなみに関東と関西で大きく流派が異なるんです。
宮崎 え~っ、どんな流派?
伊沢 関西のボタンはベースが白で、そこにランプがついています。でっかい工具箱みたいな親機に電飾がつながっていて、押すとピ~ンポ~ン。すごくゆっくり鳴る。ボタンもちょっと硬いんです。
宮崎 へえ。電飾が関西っぽいね。