クイズダービーで学んだこと
重松 宮崎さんは、クイズ番組に出るために勉強というのは?
宮崎 『Qさま!!』がチーム戦だった頃は、メンバーに対する責任もあるので、歴史の教科書を引っ張り出して、おさらいしてましたけど、個人戦になってからは勉強していません。やっても追いつかないし、どこまでやっていいのかもわからないもの。
重松 2000年代半ばあたりの『クイズ! ヘキサゴンII』(2005~11年)からだと思いますが、おバカな解答を楽しむという流れがありました。
宮崎 それも番組のひとつの見せ方ですね。
伊沢 『ヘキサゴン』では、おバカの存在で「これが最低限の常識」というのを番組側が定義してるわけです。また、『Qさま!!』で解答者がみんな制服を着ていたのは、「これは中高生までの知識ですよ」というのを示している。
宮崎 『クイズダービー』に出ていたときにディレクターに言われたのが、「正解はひとつしかないから、つまらない」。誤答で、どれだけ楽しい間違い方をするかが受けるわけです。
重松 そこへいくと篠沢(秀夫)教授はいい間違いをしてましたね。
宮崎 バンバン正解を答えて「うわっ、カッコいい」とみんなが憧れるのもいいですが、少々笑える答えを楽しんで、和んで、というのも番組の味になります。
重松 萩本欽一さんが欽ちゃんファミリーとしてデビューする新人さんに必ずおっしゃるのが、「何があっても『わかりません』だけは言うな」だそうです。
伊沢 クイズの技術的にも「わかりません」はダメだと言われます。
宮崎 そうそう、だからつらいのよ。(笑)