強いのは《世間知》のついた40代!?

重松 クイズには、反応の速さやスピード感も必要で、アスリートの要素も感じます。体力的な面での影響はあるのでしょうか。

宮崎 集中力を保つには、まず体力が必要。本当に疲れますもの。

伊沢 収録時間も長いんです。『Qさま!!』だと、オンエアが2時間でも、5、6時間かけています。

宮崎 集中力の限界をギリギリのところで支えるのが体力。それは年齢とともに衰えるし、反応速度にしても、頭の引き出しのどこかに仕舞ったものがなかなか出てこない、という場面が年々増えています。でも私は、クイズがいちばん強いのは40代じゃないかと思ってるの。大学3年だった伊沢さんとの対戦で私が勝てたのは、《世間知》ではないかしら。

重松 年齢を重ねてきた分の経験がプラスになる。

宮崎 そう。もちろん、年齢による衰えは避けられませんが。それに、競技クイズの精鋭たちがテレビのクイズショーにどんどん出てくれば、私はもう出る幕はないなという感じです。

伊沢 いいえ。競技クイズの出身者たちは、《荒れ場》への対応力が低いんです。競技に特化してきた分、テレビ的にチューニングされていないので、ころっとコケることがある。映像クイズに対応できなかったり、経験に基づいた幅広い知識が欠けていたり。クイズは、ジャンルによっても得意不得意があるので、誰がやっても勝てるチャンスはある。そこが面白いところだと思います。

重松 伊沢さんはクイズの問題もつくっていますよね。『婦人公論』の読者世代に向けては、どういうものを提案しますか?

伊沢 クイズとパズルを組み合わせたものはどうでしょう。クロスワードパズルで、たとえば、「県名が入る」という条件をつける。2文字だと「なら」「しが」「ちば」など、6択で……そんなふうに推論していくわけです。中高年世代だと、覚えているけど忘れちゃったとか、知っているけど言葉が出てこないことがありますよね。頑張れば答えが出そうなものをパズルのように構成すれば楽しめるんじゃないでしょうか。

宮崎 面白そうですね。あたたかい心配りに感謝です。(笑)

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