将来は《クイズの郷》で暮らす
重松 伊沢さんはウェブメディア「QuizKnock」(クイズノック)の編集長として、YouTube でクイズの動画を配信しています。チャンネル登録者数は150万人を超えるとか。クイズ文化の担い手として、10年後、クイズはどうなっていると思われますか?
伊沢 現在、ネットやクイズカフェ、イベントなど、誰もがクイズに触れられる環境になりました。この先さらに、みんながそれぞれ、クイズを楽しめる状況が生まれていくんじゃないでしょうか。
重松 クイズの世界は、もっともっと拡大する……。
伊沢 はい。「クイズは何かの役に立ちますか?」とよく聞かれます。でも羽生(善治)さんに、「将棋は役に立ちますか?」とは誰も聞かない。クイズが囲碁や将棋のように普及し、当たり前のゲームになってくれると、僕は幸せですね。
重松 宮崎さんは、どうクイズとかかわっているでしょうか。
宮崎 老人ホームが舞台の『やすらぎの郷』というドラマがあったでしょ。あの頃、やくみつるさんだとか、『Qさま!!』のメンバーで、冗談のように「みんなで《クイズの郷》に住むのはどう?」と話してたんですよ。各部屋に早押しボタンを置いて。(笑)
重松 それは楽しそう。「役に立つ好奇心」と「役に立たない好奇心」、狭い価値観では、役に立つものだけを残しがちです。それがクイズだと、すべてが意味のある好奇心になっていく。これはすごく大きいことだと思う。
宮崎 そこから知識の海にどんどん出ていってほしいですね。
伊沢 好きな海を見つけられたらいいし、僕はクイズを通して、その海に旅立つ人をたくさん送り出せたらいいなと思います。