「自然老化」と「光老化」
では、自然の保湿機能が備わっている手指がなぜ荒れるのか。それは、常に刺激にさらされている部位だからです。
たとえば、日々の手洗いや水仕事。石鹸や洗浄剤を使うと皮脂はより落ちやすくなります。顔のように皮脂腺が多ければ、数時間で皮脂が新たに分泌され皮脂膜となりますが、皮脂腺の少ない手のひらではそれも期待できません。
また、パソコンやスマホ、紙を触ったりするだけでも脱脂され、角質層が脱落し、角質層の水分保持力が低下します。長時間行うと手荒れが加速するだけでなく、手のひらは角質層が厚いがゆえに、乾燥すると、ぱっくりとひび割れしやすくなります。
もう一つ手荒れの原因で見落としがちなのが、紫外線です。屋外にいる間は、手も顔と同様に紫外線を浴び続けています。個人差はありますが、手のUVケアが不十分だと紫外線ダメージが蓄積し、角質細胞間脂質やNMFが正常に産生されなくなるだけでなく、真皮にまで影響が及んで、ハリや弾力を生むコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどを作り出す細胞に損傷が起こるのです。
すると、肌表面にはさまざまなトラブルが表れます。光線性花弁状色素斑というシミやそばかすもその一つ。また、シワやたるみなどが現れる「光老化」という現象も起こります。加齢による「自然老化」に「光老化」が上乗せされると、皮膚のダメージは相当なものになるのです。