ハンドクリームの量と頻度を増やす

では、手の潤いを守るにはどうしたらいいのでしょうか。実はとてもシンプルで、とにかく何度もハンドクリームを塗ればよいのです。1日に5~6回以上、気がつくたびに塗るくらいの意識でいましょう。

どのハンドクリームを選ぶかは、お好みでかまいません。いずれも保湿、保水効果があり、油分を与えて皮膚を保護してくれるもの。ハンドクリームに含まれる成分には、ヒアルロン酸、ワセリン、グリセリン、セラミド、尿素、ビタミン類といったものです。

クリニックに来られる患者さんから、「いくらハンドクリームを塗っても手荒れが改善されない」という相談を受けることがあります。そういう場合にお伝えするのは、「塗る量を増やす」「塗る頻度を増やす」「別のハンドクリームに替える」ということです。

私自身も実践し、おすすめしているのは、寝室、リビングルーム、ダイニングルーム、職場の机の引き出しなど、自分がよく行く場所にハンドクリームを置いておく作戦。これならどこにいても目につきやすく、こまめに塗ることができます。

ハンドクリームは、たっぷりの量を手に取り、手の甲や手のひら、指の1本1本、爪、手首までにしっかり浸透させるように塗り込むことが大切です。

より浸透させるには、塗った後に手袋をはめるのも効果的ですが、日々忙しく難しいという人も多いでしょう。そこまでしなくても、塗る頻度と量を増やすだけで十分潤いを守ることができます。手間のかかるケアは長続きしませんから、簡単なことを習慣化することのほうが大事です。

よく「あの芸能人が使っているから」「あのブランドが有名だから」という理由で選ぶ人もいらっしゃるようですが、効果の感じ方には個人差があります。とにかくいろんな製品を使ってみて、自分に合うものを見つけてください。最近ではエイジングケア向けに手をふっくら見せるハンドクリームもあるので、チェックしてみるとよいでしょう。