絶滅の危機に瀕した職業がまたひとつ

 はいりさん、家族っぽく一緒に片桐発祥の地に行きますか。

清水 なにそれ!

 長野にあるらしいんです。そこに「石碑を建てます」という手紙が送られてきました。僕のところにも、はいりさんのところにも。

清水 怪しいなあ。全国の片桐さんに連絡がいってるの?

 わからない。でもナンバーワン片桐はやっぱりはいりさんですから、連絡はくるでしょう。訪ねる旅、YouTubeっぽくないですか。

はいり 私もね、『もぎりさん』ならぬ『もぎらないさん』っていう動画をつくってはみたんですよ。コロナで映画の半券をもぎれなくなっちゃったから。

清水 はいりさん、まだ映画館のもぎり、やってたんですか。

はいり まだというか、地元・大森にある「キネカ大森」に顔を出して、ついでにお客さんのチケットをもぎってるだけなんですよ。映画館の収益も心配だし、なにかできないかと考えたとき、『もぎらないさん』でこの苦境を笑いにできないかな、と思って。

清水 「もぎらないさん」はなにをする人なの?

はいり 紙のチケット自体が消滅していて、スマホでQRコードをかざして入るのが時代の流れなので、いまやチケットは目視です。

 じゃあコロナ前から、もぎりは絶滅の危機に瀕してたんですね。

はいり そう。しかもお客さんに声をかけるのも憚られるので、マスクに「いらっしゃいませ」って書いたりしているという動画。

清水・仁 あははは。

はいり 清水さんのYouTubeを見てたら、私もこういうのやれるようになりたいなって思ったんです。

清水 片桐発祥の地より、弟さんのいるグアテマラに行くのは?

はいり ロックダウンはもう解除されましたけど、最近、弟の声が弾んでなくて。グアテマラは中南米で、ラテンな国でしょう。彼は自宅でスペイン語学校をやっていて、知らない人がごはん食べてるのもしょっちゅう、みたいな人の出入りの多い家だったんです。

 一気に活気がなくなっちゃったんですね。

はいり 誰も訪ねてこないと、人はこういうふうに声が沈んでいくんだな、と思いましたね。