[特集]
〈「挑戦」は人生を豊かにする〉
何歳からでも、やりたいことを
●注目記事●
〈可能性は無限大!〉
脳年齢を若返らせて、
「まことの花」を咲かせよう
茂木健一郎× 若竹千佐子
茂木 若竹さんの『おらおらでひとりいぐも』は、2018年に芥川賞を受賞した時に読んで、ものすごく感動しました。あの傑作を世に出した天才にお会いできて光栄に思っています。
若竹 天才だなんて。(笑)
茂木 タイトルは宮沢賢治の詩「永訣の朝」の一節で、もとは賢治の妹トシの死の光景でしょう。それを、夫を亡くした70代の桃子さんの「一人で生きる」宣言として読み替えたところに、僕は感動したんです。確か若竹さんも、ご主人を亡くされたことが小説を書き始めるきっかけでしたよね。
若竹 子どもの時から「小説を書きたい」という夢はあったんです。結婚して子育てするなかで押し隠してきたけれど、50歳を過ぎた頃から「一人で生きて小説を書きたい」という思いが強くなって。そんな時、本当に急に、夫が病気で亡くなったんです。私には「夫が犠牲になって、私を一人にしてくれた」と思えてならなくて。夫にすまない気持ちが「なんとか結果を出さなきゃ」というモチベーションになり、あの小説を書きあげられたのだと思っています。
茂木 シニアになると、家族や親しい人との別れが訪れる。ある研究では天才がその能力を発揮する要因のひとつとして、子どもの頃に片方の親もしくは両親がいなくなったケースをあげています。それを認知科学では、「望ましい困難」と呼びます。ご主人を亡くすという困難によって、若竹さんの才能が開花したとも言える。
若竹 昨日読んだ古生物の本で、先カンブリア紀に2度の氷期が訪れた後、爆発的に動物や植物が進化した話を思い出しました。
茂木 その若竹さんの稀有な才能が表現の場を得たのが、カルチャーセンターの小説講座ですよね。先生の根本昌夫さんは、多くの作家を世に送り出しています。
若竹 最初はすごく反発していたんですよ。「お前の小説は『うたいすぎる』」と言われたけど、意味がわからなくて。だいぶ後に、私は悲しいことを「こんなに悲しい」と書いていたことに気がつきました。それではうまく伝わらないんですよね。悲しんでいる自分を遠くから見て、ちょっと笑える視点を持てた時に、書くものも変わってきた気がします。(一部抜粋)
[第二特集]
〈おかげさまで105周年〉
『婦人公論』にみる 希望のことば
●注目記事●
●ご登場の方々●
〈女性が声を上げたとき〉
安部磯雄/与謝野晶子/山川菊栄/市川房枝/田中絹代/林芙美子/平林たい子/山口淑子
〈私が私らしくあるために〉
桐島洋子/美空ひばり/美輪明宏/ミヤコ蝶々/橋田壽賀子/黒柳徹子/上野千鶴子/成田きん/宇野千代/森光子/志村けん/石牟礼道子
〈100年時代を生き抜く〉
日野原重明/渡辺えり/田辺聖子/上沼恵美子/岸惠子/田村セツコ/養老孟司/篠田桃紅/樹木希林/市原悦子/氷川きよし/内海桂子
[読みもの]
BTSーー世界中が熱狂するその魅力
上田恵子
BTSの快進撃が止まらない。アメリカのアルバムチャート「ビルボード200」において、アジア圏出身のポップアーティストとして初めて1位を獲得し、第63回グラミー賞では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門にノミネートされている。
彼らのデビューは2013年。防弾少年団というグループ名には、「10代・20代に向けられる社会的偏見や抑圧(という名の弾丸)を防ぎ、自分たちの音楽を守る」という意味が込められているという。パフォーマンスの魅力はもとより、SNSで社会的なメッセージを発信するなど、アイドルの枠に収まらない言動も評価されている。
そんな彼らに魅せられているのは若者だけではない。BTSファンは『婦人公論』世代にも多いのだ。
「ドラマに出ていた別のアイドルを検索するなかで、BTSに出会いました」と言うのは、看護師の佐藤絹子さん(66歳)だ。仕事は激務だが、「これが終わったらBTSの曲を聴こう!」と自分を励ましながら日々頑張っているとか。
「彼らのパフォーマンスには、アイスダンスやミュージカルのような洗練された美しさがあります。ミュージックビデオも贅沢で、見せ方のうまさを感じますね」
1年前に夫を病で亡くした佐藤さん。BTSは、心に空いた穴を埋めてくれる存在でもあるという。
「音楽っていいなあとしみじみ思いました。いつかコンサートに行って生の彼らを見てみたいです」(一部抜粋)
〈大物政治家の「隠し子」が語る〉
母・浅香光代は、豪快で
気っ風のいい人でした
北岡昭次
母が危篤だと病院から連絡があったのは、2020年12月13日の午前1時半頃です。慌てて家を出たのですが、病院に着いた時にはすでに旅立っていました。
老人介護施設で吐血して入院したのは2ヵ月前の10月。すぐに病院に搬送され検査をしたところ、胃は特に問題がなかったのですが、すい臓にがんがあり、肝臓にも転移していた。年齢も年齢ですし、お医者様も、積極的に治療をする状況ではないのでは、と。余命3ヵ月と宣告されたので、ほぼその通りになってしまいました。
実はその施設には、4日間くらいしかいなかったんです。自宅で夜中にベッドから落ち、危ないのでいよいよ施設にお願いしようということになり、入所して間もなく、吐血して──。でも本人は、ぎりぎりまで痛みもなかったようです。10月初旬には、インタビューの仕事を受けたくらいですから。
コロナ禍ということで、身内も面会は5分以内に制限されていましたから、入院後は会話らしい会話もできませんでした。ただ、親戚のおばさんが面会に行った時は、「コーラ飲みたい」と言ったそうです。認知力に関しては、施設に入る前から年相応の衰えはありました。でも、介護認定の方がいらっしゃると、「はい、おはようございます!」とシャキッとしてしまう。で、「一緒に写真撮りましょう」とか言って、サインまでする(笑)。そんなわけでぎりぎりまで仕事もできましたし、大往生と言っていいのではないでしょうか。
兄と僕の存在が世に知られたのは、14年です。「隠し子」とか、「大物政治家との間に生まれた」などと、マスコミをにぎわせました。その時、僕らが母のことを「先生」と呼んで敬語で話し、いわゆる親子らしい関係ではなかったことも知られるところとなりました。(一部抜粋)
[特別付録]
よく当たると大評判!
中津川りえの 傾斜宮占い2021
開運習慣篇
他にも、
〈カラーグラビア&インタビュー〉
岡田准一
アクションで、魅せる
〈名だたる名監督が頼りにした女優〉
朝ドラ『おちょやん』のモデル
浪花千栄子さんの教え
香川京子
〈スペシャル対談〈前篇〉 サトウハチロー、北杜夫……〉
親しかった人もあの時代も、 今は回想のなかに
五木寛之× 佐藤愛子
〈「もっと笑えよ」の言葉を胸に〉
舘ひろし
生まれ変わっても
渡哲也さんの舎弟になる
〈挫折ばかりの舞台人生だけど〉
海宝直人
ミュージカルとロックで思いを伝えたい
などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!