エドガー・ポーツネルを明日海りお、アラン・トワイライトを千葉雄大が演じる。(撮影:岸隆子〈Studio Elenish〉)

〈いつか叶えたい〉夢の舞台

1月11日に大阪・芸術劇場で幕が上がったミュージカル・ゴシック『ポーの一族』。萩尾望都が描く原作の美しさや物語に含まれた哲学はそのままに、ミュージカル界を牽引する小池修一郎の演出による迫力の舞台です。

2018年「宝塚歌劇」花組上演時に引き続き、主人公エドガーを演じるのは明日海りお。美しくも冷たい孤独を抱えたバンパネラ(吸血鬼)、エドガーを演じます。明日海にとっては、2019年に宝塚歌劇団退団後、初めて挑む舞台作品になります。

一方、不自由ない暮らしも心は満たされず、葛藤に苦しむ少年アランを演じるのは、千葉雄大。『婦人公論』のインタビュー取材でも「〈いつか叶えたい〉と言い続けてきた夢がありました。それはミュージカルの舞台に立つこと」だったと答えていました。その夢の舞台上で、回を追うごとにますます躍動しています。

加えて小西遼生、中村橋之助、夢咲ねね 、綺咲愛里、そして福井晶一、涼風真世など豪華キャストが揃い、作品世界に更なる厚みを加えます。初演でも作品を彩った「ポーの一族」「哀しみのバンパネラ」他、美しくドラマティックな楽曲の数々も本作の魅力。今回新たにメリーベルが兄エドガーを失った悲しみを切に歌う新曲が追加されています。