ゲームはうまくない。ただ諦めない
清水 別に面白い話ひとつしないんでしょう(笑)? 結局のところ、観客はなにをしてるの?
有野 僕がミスすると「頑張れー!」「集中して!」って応援してくれる。クリアすると「やったー!」って喜んでくれる。それを共有しにきてるんです。(笑)
清水 独特すぎる(笑)。なんで?有野さんのプレイに、なにか特別な魅力があるってこと?
濱口 特に、ゲームがうまいわけでもないらしいんですよ。
有野 はっきり言って、うまくないです。ただ諦めないんです。
清水 それで、大人も子どもも集まっちゃうのか。
有野 ダウンロードプレイがなかった時代は、僕がゲームをしている番組を子どもに見せて、「面白そう」って言ったら中古屋さんでそのゲームを買うという人が多かったですね。そうすれば節約にもなるし、家族がみんなで遊べるので、おもちゃ代もかからない。
清水 しかも家族一緒に応援する喜びもある。
有野 ある声優さんに聞いたら、「お兄ちゃんプレイ」って呼ぶらしいです。自分はまだできないけど、お兄ちゃんがプレイしているところを見ながら「頑張れ!」って応援する。クリアできたら、自分のことのように喜ぶ。クリアするところを見れたら嬉しいけど、別にクリアできなくても大丈夫なんですって。大人も「自分ではそこまで行かれへんから、見てるだけで楽しい」わけです。
清水 代行のイメージだ。
有野 旅番組を見て、行ったつもりになるのと似たような感じかもしれませんね。