神戸から出たがらない姑の元に週1回通う日々
落ち着いた表情で話すえりかさんだが、ここまで怒濤の半年間であっただろうことは想像に難くない。なぜなら、検査・入院・手術・退院・施設への入所・退院後の通院といったすべての過程に、家族の立ち会いが求められるからだ。しかも神奈川と神戸の距離である。
「手術前は毎週、検査の付き添いに。入院中は2時間かけて神戸に向かうのですが、院内に入ることは許されず、ナースステーション前で術後の申し送りを聞く。退院後も週に1度、リンパ液を抜く治療に付き添いました。
老健をショートステイで利用するようになってからも、やはり通院があるので毎週通っていましたね。義父はすでに亡くなっていますし、夫は一人っ子なので、私たちしかみる者がいないんです」
また、義母のように老健の医療ケアではなく、外部の病院を利用する場合、通院のたびにいったん退所し、自宅などで1泊して再度入所する方法をとらなければならなかったという。そのためえりかさんも1泊し、翌日、義母を施設の玄関前に送り届けてから神奈川に帰っていた。その間、仕事も毎回休まなければならない。
「基本的に、義母のところへは夫と2人で行きます。これは義母が希望したことで、夫だけだと細かなところまで気が回らないのでイライラするそうなんです。逆に私だけだと、申し訳なさで落ち着かないみたいで(笑)。
幸い今は夫の仕事がリモートになっているので、時間の都合がつけられる。そういう意味ではコロナ禍であったことが幸いしているとも言えますね」