肉がつまみづらいと、内臓脂肪が蓄積されている

ですが、ひとくちに脂肪と言っても、すべての脂肪が健康に悪いわけではありません。実は、ある程度の量の皮下脂肪はあったほうがいい。BMI(体格指数)数値が18.5未満の「やせ体形」よりも、23〜24.9の「ちょいポチャ体形」のほうが長生きするという説が、近頃では常識になっています。なぜかと言えば、皮下脂肪には断熱材の役目があり、体の熱を保ってくれるから。人間の体は、36度以上の体温で正常に機能するようにできています。体温が上がって血流がよくなると、免疫力も高まり、病気にもかかりにくくなるのです。

それに対して、内臓脂肪が増えるのは百害あって一利なし。内臓の周りや腸間膜につく内臓脂肪が増えると、体に害を及ぼすホルモンも増加。血糖値やコレステロール値、血圧が上昇し、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの原因に。また、動脈硬化も進むため、心筋梗塞や脳梗塞、肝硬変を発症する危険も高くなってしまうのです。

では、目に見えない内臓脂肪の量をどうやって判断すればいいのでしょうか。もっとも手軽なのは、立った状態でおへそ周りをつまんでみること。「手足が細いわりにお腹がぽっこり出ている」方は要注意。肉がつまみづらいと、内臓脂肪が蓄積されていることになります。

そして、一度きちんとメジャーで計測しましょう。メジャーを当てる位置は、おへその高さ。息を吸って吐いた後に、背中や腰に対して水平になるように巻き付けて測ると、正確な数値がわかります。女性の場合、腹囲が90センチ以上の方は危険信号(厚生労働省のメタボリックシンドロームの診断基準に基づく)。このあとご紹介する内臓脂肪を減らす方法を行ってください。

●内臓に脂肪がつくと……