「MBO」と「TOB」って何? 

「MBO」と「TOB」とは何ぞやということですが、以前「TOB」については「ニトリくんとDCMくんによる島忠さん争奪戦」として、触れたことがありました。「TOB=Take Over Bid(テイク・オーバー・ビッド)」は株式公開買い付けのこと。外部の第三者が対象企業の株式を既存株主から買い取ることを指します。一方、「MBO=Management Buyout(マネジメント・バイアウト)」は、内部の経営者などが自社の株式を既存株主から買い取るというものです。

「MBO」は経営陣買収などと訳されます。経営陣が既存株主から自社の株式を取得し、株式を非公開化することで、株主利益に左右されずに長期的な戦略や思い切った事業再編など展開できるというメリットがあります。

経営陣が買収資金を持っていない場合、投資ファンドなどから資金を調達しますが、今回は米国投資ファンドのカーライル傘下のスタジオ・クルーズがTOBを実施して株式を非公開化(上場廃止)し、「カーライルと協業しながらリスクを伴う戦略的な意思決定を柔軟かつスピード感をもって実行し中長期的な企業価値の向上を図る」のだそうです。

そういうわけで、私の持っている AOI TYO ホールディングス の株は、取得単価789円に対して 21日現在の株価は897円。 わあ、ずいぶんプラス! と一瞬思ったけど、待って待って。違う違う。

もともと私は、NISAで「TYO」という会社の株を買っていて、その「TYO」と「Aoi pro.」という会社が2017年に経営統合して生まれたのが、 AOI TYO ホールディングス。その時の株価は記録を見ると1株928円なのです。

そしてNISAで5年たち、ロールオーバーするメリットがないのでやむなく特定口座に移した時の価格が789円。その時点で損しているんですよ。(そのあたりの話、NISAの値下がり株を課税あり口座に移したときの悲劇については、過去の記事「NISAが使いこなせない」をぜひご参照ください)

1株928円だったのに900円で買い取られてしまったら、ギリ、マイナス。実際は損しているのに移行時価格から利益が出ているとみなされて課税されたら、大マイナス。

やだーっ。せめて1,000円、いや950円でもいい、購入したときの価格以上で買い取ってっ。