中公新書ラクレ『「定年後知的格差時代」の勉強法』(櫻田大造著)

講義の最後に、勉強熱心なC君が質問しにきた。そうか、そこがわかっていなかったのか。教えることは学ぶこと。70歳になっても、熱心な学生を前に自分の専門分野を教えられるのはやりがいがある。授業とは関係ないが、最近のタピオカブームとその衰退について詳しく語る受講生もおり、なるほど! と感心。自分の子どもよりも若い学生に接すると、まだまだ教えられることばかりだなあ。そのうえ、いろいろな情報も入手できる。

講師控え室ではコーヒー片手に、E先生とアメリカ政治の現況について談笑。彼女はカナダがご専門だが、アメリカもフォローしているので、話が弾む。講師の「役得」だなあ。最後に今考えている論文構想をお話しして、「今後カナダとアメリカの関係について、疑問が出てきましたら、メールしてもよろしいでしょうか?」と聞く。「イエス」のお返事をいただいて嬉しくなる。

その後、パソコンに今度発表する学術論文の章立てを書く。1時間くらいかけて骨子が完成。手ごたえアリだ。帰り際、この論文向けに図書館で5冊の本を借りて、ネットで入手不可な古い英文論文をコピー。さすが大学図書館!

亭主元気で留守がよいのか? 私が65歳で会社を辞め、68歳で給料は安いとはいえ大学非常勤講師に就いてから、妻もご機嫌だ。夕食に麦芽100%のビールと好物のマグロの赤身を用意してくれていた。学問はいつでもできる。そう、しみじみ感じる一日だった。明日からは借りた本を読み、論文執筆に集中するぞ!