左 黒塀通りには、浄念寺、安善寺、登録有形文化財「浪漫亭」などが並ぶ。緑化も行われ黒と緑のコントラストが美しい。
右上 江戸時代からの伝統工芸・村上木彫堆朱(ついしゅ)。「堆朱のふじい」にて。
右下 寒風干しされる塩引き鮭。「千年鮭 きっかわ」にて。
新潟県北部に位置する村上市。美しい自然だけでなく、鮭や漆器など独特の文化と城下町の伝統が息づく。標高135mの臥牛山(がぎゅうさん)には「城跡」が、麓には「武家屋敷」「町屋」「寺町」が残り、城下町の四大要素が現存する全国的にも稀有なまちだ。そんなまちのシンボルとも言えるのが、「黒塀通り(安善小路)」。歴史ある通りの景観が損なわれていくのに危機感を覚え、城下町らしい姿を取り戻す「修景」へと導いたのが、「千年鮭 きっかわ」15代目社長で、黒塀通りに暮らす吉川真嗣(きっかわしんじ)氏(57歳)だ。
「きっかけは、平成9(1997)年の近代化計画による町屋の取り壊しです。これでは伝統ある町人町(ちょうにんまち)が壊れてしまい後悔すると思いました」
そこで、古い町屋文化に光を当てるとともに、松尾芭蕉も通ったとされる安善小路の景観をよくするために「黒塀プロジェクト」を開始。「小路の住民が中心となり、ペンキ塗りから釘打ちまで市民自らが行いました。現在は黒塀が460mに及びます」。この取り組みが成功したことで、町屋再生プロジェクトもスタートし、すでに62軒が再生された。「今後も、城下町らしさに磨きをかけていきたいと思います」。
●交通:「黒塀通り」へは、JR羽越本線村上駅下車徒歩約20分。
●お問い合わせ先:村上市観光課観光交流室
TEL 0254-53-2111(内線3712)
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