聖地・代々木ではなくとも

V6の取材で、もっとも筆者の印象に残っているのは2015年11月1日。国立代々木競技場第一体育館の広場で、ファンも参加して行われた20周年コンサートの記者会見だ。

青空の下、広場を埋め尽くしたファンと、リラックスした表情でファンの近くまで行き、挨拶するメンバー。互いの信頼関係あってこその和やかな光景に、V6とファンとが積み重ねてきた長い時間を思った。あんなにアットホームな記者会見は、もう二度とないだろう。

「V6とファンとが積み重ねてきた長い時間を思う」

代々木はV6がデビューイベントを行った場所であり、ファンの間では「聖地」と呼ばれている。本来ならラストライブもここでとなるはずだが、残念ながらオリンピックの関係で体育館が使用できず、幕張での開催になったのだという。

コンサート中、井ノ原は「(代々木での可能性を探るなか)幕張さんは『V6の最後は代々木でやるべきです。ギリギリまでここを取っておきますから、もしも代々木がダメだったらここでやってください』と言ってくれた。ありがたかったです」と、幕張メッセに感謝の言葉を口にしていた。