舞台に立つ緊張感、 高揚感
清水 私ね、大勢で一緒にライブとか映画とかを観るのが好きなの。だから東京オリンピックも、もし行けるとしたら何がいいかなって考えると、やっぱりオープニングが見たいんですよ。
金田一・小林 えー!?
清水 えっ、なんで。だめ?
金田一・小林 (顔を見合わせて)ねぇ?
清水 もう気が合ってる。初対面同士なのに。
金田一 僕が見たいのは、重量挙げ。
小林 重量挙げって、大道芸に近いような迫力がありますよね。あの、ちょっとありえないことをしてる感じがすごいなと思って。
金田一 あの単純さがいいの。ほら、卓球とか相手の失敗を誘う競技じゃない。いじわるのしっこなんだもん。もちろん重量挙げも競争なんでしょうけど。
小林 オリンピック前になって、本当に外国からの観光客が増えましたね。
清水 うん。実家の飛騨高山なんて交通の便もよくないのに、外国人観光客でいっぱいでした。
金田一 京都や日光だけじゃなくて、飛騨高山にまできたかあ。田舎があるって東京育ちの僕には羨ましかったけど、実は僕、盛岡のふるさと大使をやってるんですよ。フィンランドの親善大使にはなれなかったけど。(笑)
小林 私も東京育ちですが、両親が東北出身で。どういうご関係で盛岡に?
金田一 祖父(言語学者の金田一京助氏)が盛岡の出身でね。年に1回、盛岡文士劇の公演に出てるの。
清水 ブンシゲキって何ですか?
金田一 作家とか新聞記者とか文学に関わる人間が演じる舞台のこと。尾崎紅葉なんかが始めたのがルーツで、昭和になってからは『文藝春秋』が主宰したりしていたんだけど、だんだん途絶えて今は盛岡にしか残っていないんですよ。これがけっこうなプラチナチケットで、売り出し日は朝4時から並ぶんですって。
小林 先生のほかには、どういう方が?
金田一 中心になってるのは、地元在住の作家の高橋克彦さんで、ほかに内館牧子さんとか、ロバート・キャンベルさんとか。岩手の放送局のアナウンサーなんかも参加します。
小林 先生もちゃんとセリフ覚えて。
金田一 はい。時代劇ですから鎧も着ますよ。
清水 わ! 失礼ながら、ぜんぜん似合わない(笑)。やっぱり衣装を着けたりすることで、人格が変わりませんか?