耳の痛いことでも「言う」は愛情

そうとわかれば、幸せぐせに方向転換です! 理由があって遅刻するなら別ですが、常に遅れてくるとなれば、いくら「そういう人」と思おうとしても、ストレスが溜まるはず。その気持ちを溜め込むと不満やイライラへと発展し、人間関係がうまくいかなくなることもあります。ですから、相手にちゃんと「遅刻ぐせを直してほしい」と言いましょう。

「時間にルーズなところ以外は良いところがたくさんあるから、指摘しづらいわ」という方もいらっしゃるかもしれませんね。けれど、なぜ指摘しづらいのでしょう。指摘して不穏な空気が流れたり、人間関係にヒビが入ったりするのが気まずい? 細かいことをいちいち言う小姑みたいだと思われたくない?

もちろん相手の良いところを尊重したい気持ち、友人を大切にしたい気持ちはわかります。けれど、指摘できない理由のどれもが保身からくるものではないでしょうか。自分を守る利己的な気持ちを「小我」と言いますが、保身は小我そのもの。小我をとるなら、残念ながら相手のルーズさをあなた自身が引き寄せていることになり、文句は言えません。

ぜひ、視点を変えてみましょう。小我とは真逆の「大我」の愛、相手のためを思う利他愛という視点です。遅刻ぐせがなくなるのは、友人にとっても良きことのはず。大切な友人だからこそ幸せになってほしい。お互いが命の時間を大切にできる幸せぐせを一緒に身につけると考えればいいのです。思い切って「良いところがたくさんあるのに、時間にルーズなのが玉に瑕。待っている人のことを考えて直してほしい」と、改善を促しましょう。耳の痛いことでも「言う」は愛情。大我の愛からの言葉なら、友人の心に届くはずです。

(イラスト◎大野舞)