『三千円の使いかた』(著:原田ひ香/中央公論新社)

お金の勉強は早いうちから始めたほうがいい

ジェイソン 僕はやらないな~そういう冒険はしなくていい~! 結果はどうでした? 増えましたか?

原田 2、3万増えたところで売ったかな?

ジェイソン 3%か…。

原田 今考えると、それでよかったのか、わからないですね。

ジェイソン (頭を抱えながら)ちょっとツッコミどころが多いです。まず「3カ月でそろそろ売ろうか?」というのは本当に短すぎますね。その程度の期間で動かすのは「投資」ではないと僕は考えています。

原田 まあ若かったので許してください。やっぱり、「人生と一緒に」くらいの長いスパンが必要ですか?

ジェイソン そうですね、本にも書いていますけど、投資はとにかく「長期間引き出さない」が鉄則です。僕の父親はリーマンショックの時に狼狽売りをしてしまい、大きな損を出してしまいました。それを間近に見たことが勉強になりましたね。

原田 ジェイソンさんの本の魅力は「投資をしないことこそリスクだ!」とキッパリ言い切ってるところですよね。日本人は、お金の運用に関して断定を嫌うというか、どうしても奥歯にものが挟まったような言い方になりますから。

ジェイソン 中途半端だったら、みんな「本当にやった方がいいの?」ってなります。やり方によりますけど、リスク管理もできます。過去のデータを分析したら、長期に持ったままでいられれば投資は安全なんですよ。

原田 ジェイソンさんの話には説得力がありますね。

ジェイソン 僕は娘たちに、1年のお小遣いの残額に対して10%の利子の額のお年玉をあげています。お金は残せば残すほど増えていくことを体感してもらうために。

原田 10%!いい利回りですね! 私も預けたい。(笑)

ジェイソン いやいや10%は多くないですよ。今年僕のやってる投資信託は、だいたい利率が30%でした。でも良い年も悪い年もあるので、20年の平均をとって10%の利率くらいがちょうどいいなと。子どもにも計算が簡単です。

原田 いい教育ですね。日本の高校でも、2022年からやっとお金の勉強が始まるんですよね。

ジェイソン お金の勉強は、早いうちから始めたほうがいいですよ。