『ジェイソン流お金の増やし方』(著:厚切りジェイソン/ぴあ; New版)

考えないまま流される人生はもったいない

原田 この本を書いたのは実は2018年。でも今、むしろ売れているんです。レビュー欄によく見かけるのは「まだ何の手も打っていなかった!」という言葉。コロナでいよいよ不安になった方が多いのかもしれませんが、投資や将来のお金の設計について考えてこなかった人がこんなにもたくさんいるんだって驚いています。

ジェイソン なんでだろうね。お金は、人生の歩み方に影響することなのに、みんな大して考えないで使ってしまっている。ただの「クセ」で消えた額がデカくなると、後で気づいても遅いから「今、この時から考えましょう!」と思います。

原田 一つの金額が小さくても「×何日」と考えるとすごい金額になりますよね。

ジェイソン ね! コーヒー1杯300円だけっていうのを1日2回で、それを30年と思ったら、家が買えるお金になる。チリも積もれば…掃除しろや、です。(笑)

原田 それとね、「FIRE」がこれだけ話題になるのを見ていると、ああ、日本の会社員の方、こんなにも会社がつらい人が多いのかって思いますね。

ジェイソン 僕に言わせると「やりたくもない仕事をして、好きでもない人の印象操作するために欲しくもないものを買って、飲みたくもない人と飲みに行ってる人」が多すぎます。考えないまま流される人生は、もったいないですよ。

原田 手厳しい~(笑)!

ジェイソン 仕事を辞められるほどお金を貯めなくてもいいから、「好きだからやる」という基準で選択ができるように、お金を運用するといいと思います。

原田 私も不動産の取材をした時に、郊外で家を何軒か買って、それで不動産収入をたてることを勧められました。浮き沈みの大きい仕事なので、本業とは別に定期収入があるといいだろうなと思いましたね。やっぱり書き下ろしとなると創作の時間がかかりますから。私の場合は作家の仕事がとても好きなので、食べていくお金が足りたからといってやめたいと思っていませんけど、お金のことを気にせずとことん打ち込める環境があったら理想的ですね。

ジェイソン 僕もいつか小説を書いてみたいと思っているんです。お金を貯めてさえすれば、1年間すべての仕事を休んで書いた本が、たとえ一冊も売れなくても、大丈夫。家族が路頭に迷うことがないんです。

原田 私はジェイソンさんの書く小説、読んでみたいですよ。ぜひお書きになってくださいね。

原田ひ香さん(左)厚切りジェイソンさん(右)(撮影◎本社・八木沼卓)

三千円の使いかた』(著:原田ひ香/中央公論新社)

垣谷美雨さん 絶賛!
「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!