アメリカ育ちであっても倹約家
原田 こんにちは!「移動手段はいつも徒歩」と本に書かれていましたが、今日も歩いていらっしゃったのですか?
ジェイソン はい、こちら(中央公論新社@大手町)までは2時間くらいでした。お金も使わないし、健康にもいいですよ。
原田 ジェイソンさんは、IT会社役員をされながら、芸人さんをされているんですよね。収入はほとんど投資に回されているとか。
ジェイソン はい、仕事ではリスクをとる方ですけど、投資に関してはすごく手堅くて保守的です。「支出を徹底的に減らして、残りを投資に回して、長期間待つ」というシンプルな方法。僕は選択の自由を手に入れるために普段は節約して、お金を運用するのがいいと思っています。
原田 アメリカの方はクレジットカードで借金してまでバンバン買い物をするイメージがありますけど、ジェイソンさんのご家庭はそうではなかったのですか?
ジェイソン うちは父がリストラされて事業を始めたので、僕が子どもの頃それほど裕福ではなかったんです。母は割引券を活用したり、スーパーをはしごしたりして節約していました。母は「お父さんは働いてお金を増やしているけれど、お母さんはお金を大事にすることで、同じようにお金を増やしているのよ」と言っていました。
原田 アメリカ育ちであっても、自然と支出を抑える生活が身についたんですね。私の父は大学の教員で公務員ということもあり、ずっと「うちは貧乏なんだ」と思っていました。私が幼稚園の頃、カラーテレビが発売されました。両親が「カラーテレビ欲しい?」と私に聞いたところ、「私の目にはカラーに見えるから大丈夫だよ」と気遣ったそうです。健気ですよね。(笑)
ジェイソン そこまで子どもに気遣われたら、親は喜ぶというより傷ついたんじゃないですか?!
原田 あはは! どうでしょうか。おかげさまで今も節約は習慣になっていますね。
ジェイソン 僕も3人の娘の父親ですが、彼女たちに頭ごなしに「お金を使うな」とは言いません。「お金は使わずに持っていた方が増えていくこと」、「賢い使い方があること」などをいつも言い聞かせています。理由も言わずに締め付けたら、子どもは将来親の目がなくなった途端「浪費家になってやろう」と思いますよ。子どもは親の背中を見て育ちますね。
原田 そうかもしれません。