医療現場の「使い捨て物品」も機能性〈高〉

医療現場でもっともよく使われる使い捨ての物品といえば、マスクである。医療従事者が一般的に用いる不織布のマスクを、サージカルマスクという。やはりサージカルマスクも水色のものを使うことが多い。

サージカルマスクには2つのタイプがある。ゴムで耳にかけるタイプと、ヒモを頭の後ろで結ぶタイプである。着用しやすいのは、市販のマスクと同様のゴムタイプである。

ゴムタイプの欠点は、顔の大きさに合わせてしばる強さを調節できないことだ。顔が小さくてマスクのサイズが合わないと、すぐにずれてきてしまう。

手術中で滅菌手袋を着用している場合、その手で顔を触ることができないため、マスクがずれても自力で戻せない。そこで、長時間手術に入るときなどには、安定性のいいヒモタイプが選ばれることが多いのだ。

また、ゴムタイプを長時間着用すると耳が痛くなったり、かぶれたりするという欠点もある。そうした理由で、手術以外でもヒモタイプを選ぶ人はいる。

一方、ヒモタイプの欠点は、頭の後ろで上下2回ヒモを結ぶ手間があり、着用がやや面倒であることだ。また、見えないところでヒモを結ばなければならないため、慣れないうちは少し難渋するというデメリットもある。

よってこれらの特性を考慮し、好みと必要性に応じて使い分けているのが現実である。