すぐ自虐してしまう
その能力はわたしには備わっていない。
まあまあ仲の良い友人達といたとしても、あ、会話が沈んできたわ、と思うと、じわじわと緊張感が出てきて、頑張って話してしまうのである。
頑張るとロクなことがない。良くない癖が出てくる。
わたしの良くない癖とは、自虐である。自虐ネタこそ場を盛り上げられる、と
信じてやまない20年を過ごしてきてしまった。
「いや、もうわたしなんかさ〜若い男の子に相手にされてないから!はははは!」
「………」
「さやかさん、素敵なんだから、その若い方達が失礼なんじゃないかしら?」
「そういう男性と、距離を置いたほうがいいわよ。わかっていないわけだから」
思わぬ方向に行く話。
往年の自虐ネタを、友人達は喜ばない。それどころか心配させてしまうのだ。
ふと、皆をみると眉間に皺を寄せて、わたしを庇う会話を繰り広げているではないか。
謙虚謙遜といえば聞こえは良いが、過度な謙遜は人を困らせる。
ましてや自虐は相手の気分を悪くさせてしまうこともある。
楽しませたかったのに。あゝ、座持ちとは真逆の位置にいるわたし。