冠婚葬祭費までケチらない

何かの目的があってガッチリお金を貯めたい方もいらっしゃるでしょう。そのために友だち付き合いをやめて交際費を削りたいと思うなら、それもあり。孤高に生きるライフスタイルを貫けばいいのです。

ただし、人付き合いをするうえでのマナーである「冠婚葬祭費」まで出し渋ると、お金の流れはとたんにせき止められ、淀みます。もし生活が苦しくて思うように慶弔のお金が捻出できないなら、自分が出せる範囲の金額でかまわないのです。そしてプラスするのはやはり言霊。お祝いや感謝、故人を悼む気持ちを書いて添えましょう。

江原さんが歌の先生に謝礼を渡す際の一言入り封筒(写真提供◎江原先生)

 

手紙にしたためたり、ご祝儀袋に直接書いたりしてもいいのです。冠婚葬祭で気持ちよく出費できる人が、幸せぐせのある人です。

私は歌のレッスンなどで先生に謝金をお渡しするとき、必ず封筒に一言添えます。ただの儀礼で済ませず、心を込めたふるまいをすることが、お金以上の付加価値を生み、清らかな流れを生むのです。

逆に見栄っ張りで金遣いの荒い濁流の人はどうしたらいいか。まず、見栄を張っても誰も得をしないと理解すること。そして意識して、使うところ、財布の紐を締めるところのメリハリをつけ、流しっ放しを防ぐしかありません。

謝礼の封筒に、感謝の気持ちを込めて一言書き入れる江原さん


「夏休みは遊んでも、新学期が始まったらお勉強」というように、「お金を使うのは今だけ、明日からは堅実に」を目指しましょう。

水の流れを意識したお金の使い方と心の込もった言霊。このバランス感覚を養うことが、幸せぐせを身につける秘訣です。人生経験豊かな皆さんなら、その勘どころをすぐにつかめるはずでしょう。

(イラスト◎大野舞)

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