「嘘も方便」を上手に使う
日本人は「言わなくてもわかって」という部分がありますが、それは怠慢というもの。コミュニケーションは大事にしなくては! それに言葉にはたましいが宿りますから、せっかくの言霊パワーを使わない手はありません。
ポイントは、明るく言うことと、「嘘も方便」を上手に使うことです。正直に「お金もないのに、そんな高いランチなんて行きたくないわ」と言えば角が立つ。そこでちょっと話を盛り、「夫がいろいろ使っちゃって、今ピンチなのよ」とか、「うち、親の介護中でしょう。今月はことのほかお金が必要で」と明るく言う。さらに「また今度、誘ってよ」と言い添えれば、相手も「あら大変ね。わかった!」で済ませられます。せっかく誘ってくれた相手を気遣う嘘に悪意はありませんし、方便を上手に使うのは大人のたしなみ。幸せぐせの上級レベルです。
冒頭で「極意」と言ったように、お金の使い方にはコツがいります。実は、Aを選んだ人も不幸ぐせとまでは言い切れません。なぜなら、友人関係を保つことを考えれば、「3回に1回ぐらいは誘いに乗る」というようなバランスも必要になるからです。もしその塩梅を考えたうえでのAの選択ならば、幸せぐせの素質はあるということ。あとはお財布の中身と相談して、ムリがないかどうかです。
毎回断って「あの人、ケチね」と言われるような付き合い方は、友人関係を壊しかねません。だから断るときは上手に言霊パワーを使いつつ、お財布がピンチではないときを選んで「1回は行く」とか、「高いホテルランチではなく、リーズナブルなレストランでのランチを提案する」といった工夫をする。濁流にせず、かといってせき止めもせず、目指すは中庸、ほどほどのお付き合い。そこまでできれば極意を会得した幸せぐせの持ち主です。