「暴露系ユーチューバー」の当選

「NHK党から比例選に出馬したユーチューバーのガーシー氏(東谷義和氏)は、国内で選挙運動を行わず、ドバイからのリモート選挙を展開して当選した。その公約は芸能人のスキャンダルを実名で暴露するというもので、視聴者の『見たい』という心理を動かすものだった」=中村氏

「ガーシー氏のようなユーチューバーに投票するのは、『今の政治には期待していない』という有権者の思いの表れだったのではないか」=能條氏

飯塚ガーシー氏は、「帰国したら逮捕される恐れがある」として当選後も登院しない構えを見せている。これは端的に言って国会法違反です。有権者の側ももう少し真面目に考えて投票すべきだと考えます。

吉田ユーチューブでの発言を面白がって「投票で遊んでみよう」という感覚の人が多数いたのでしょう。そこにはおそらく「自分の一票になんて価値はない」という思い込みがある。ネット選挙の暗部を見たようで絶望的になってしまいますが、これは既成政党の責任でもあります。猛省しなければなりません。

ガーシー氏©️日本テレビ

「自民党は今回、SNSの選挙用動画コンテンツにかつてないほど力を入れ、質の高い動画を都道府県ごとに作成した。政党と候補者が一丸となって政策メッセージを打ち出せるかどうかは勝負の分かれ目にもなる」=中村氏

吉田ネット選挙の威力については、もちろん既成政党も注目しているようです。今回大勝した自民党は動画コンテンツの作成にも力を入れており、組織力、資金力を生かして党のブランドを高めることに成功したとも言える。とりわけ若い世代の情報源はユーチューブやSNSなどネットにシフトしており、この傾向は今後も続いていくでしょう。

飯塚疑問が残ったのは立憲民主党の戦術です。中村氏が投票日前日、各政党の公式SNSのフォロワー数を集計したデータによれば、立憲民主党のそれは参政党とほぼ同じだった。SNSでの「戦い方」においても与党の後塵を拝するようでは、ますます存在感を失っていくのではないでしょうか。

大勝「自民党」SNS戦略とは©️日本テレビ