2022年10月号
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[特集]
〈気持ちを軽くする「終活」〉
悔いなく死ぬために今できること

自分の命がいつ尽きるかは、誰にも予測できません。だからこそ、いつその時が来ても後悔がないように元気なうちから準備を始めておきたいものです。体が不自由になった時にどう暮らすか、終末期の医療やお金、葬儀、お墓、遺産はどうするか――。死を考えることは、今を充実させることにも通じるはずです

●注目記事●

〈先に逝かない約束だったのに〉
夫との突然の別れから半年、
「一人でも大丈夫」になりたい

松原智恵子

16歳で映画デビューして61年、これまで多くの作品に出演し、今年1月には喜寿を迎えた松原智恵子さん。女優として充実した日々を送るなか、この2月に50年連れ添った夫を見送りました。今、この先の人生に思うことは……

「喜寿」と言われても、どうもピンときません。女優としては祖母役が多くなるなど役柄の変化もありますし、もちろん自分の年齢は承知しています。ただ、「ああ、年をとったわ」とか「もうこんな年齢なのね」といった実感がないのです。

私はもともと、サッと気持ちを切り替えて引きずらない性格。失敗をしたり、大変な出来事が起きたりしても、落ち込むよりは次に向かって進みましょう、と思うタイプです。物事をあまり否定的に捉えないんですね。そんな性分もあってか、年をとることもさほど深刻に考えたことはありません。たしかに、台詞覚えは以前より悪くなりました。体力だって、50代、60代の頃よりは衰えているはず。でも、そういったマイナス面よりも、仕事を続けられる喜びのほうに気持ちが向くのです。(一部抜粋)

 

〈お墓はワンちゃんと一緒で〉
娘と孫が困らぬよう「財産整理」の真っ最中
デヴィ・スカルノ

パワフルに世界を飛び回るデヴィ夫人が82歳の今、気がかりなのは、集めた膨大な数の芸術品のゆくえ。自分の亡き後、娘や孫に迷惑をかけないために準備を始めていると言います

私は、人生は自分で切り拓くものと考え、努力を重ねてまいりました。その結果、完全な独立と自由を得て、生きたいように生きることができましたけれど、残念ながら「死」だけはコントロールできないのよね。

人は思ったようには死ねない。そこに人生の悲哀を感じますが、だからこそ終活すること、備えておくことが大切です。あとに残された人が困ったり迷ったりしないようにしておくことは礼儀でもあるし、生きてきたことへの責任でもありますから。ですので、お墓もお葬式もここ数年、着々と準備を進めています。

永遠の眠りにつく場所や人生最後のセレモニーは、やっぱり自分でデザインしたいじゃない?(一部抜粋)

他にも、多良美智子さんの「団地暮らしの87歳。今がいちばん楽しい」、専門家による解説「終末期医療の選択肢と費用」、石蔵文信さんによる「余命3年と悟り、始めた「死に支度」は」など。
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[第二特集]
〈菌活〉―老いを食い止める新習慣

人は生まれてすぐ、母親の産道や外気、周囲の人間に触れることで、菌をもらい共存していきます。その菌が、口腔内、皮膚、胃や腸などの消化管に住みつき、「常在菌」と呼ばれるように。実は、この常在菌こそが、私たちの健康と美容に欠かせないものなのです。専門家のアドバイスを参考にして、よい菌を増やし育てる暮らしを目指しましょう!

●注目記事●

〈肌、頭皮、口腔、腸、膣がカギ〉
常在菌との上手な共存が
健康な体を作ります

下川穣

「菌活」とは、どんなことをするものでしょうか。歯科医師として菌の研究・臨床に10年以上かかわってきた下川穣さんは、単によい菌を増やすことではなく、バランスが大事だと言います。菌を上手にコントロールする「菌活」法を教えてもらいました

頭からつま先まで、人間の体には約1000種1000兆個もの多種多様な菌が住んでいることをご存じでしょうか。これらは「常在菌」といい、食事で体内に取り込んだ栄養素などをエサにして、さまざまな成分を生み出しています。たとえば、腸内に住むビフィズス菌はオリゴ糖を食べて増殖しビタミン類を、肌に住む表皮ブドウ球菌は皮脂をエサにうるおいのもととなるグリセリンを生み出す、といったこと。つまり、人とともに生きているこれらの菌が、健やかな体を支えてくれているのです。

菌の中には、大腸菌やアクネ菌など、体に悪さをするイメージのものもありますよね。けれど、そう単純に「良い」「悪い」で分けられるものではありません。

肌に存在するアクネ菌を例にあげると、毛穴の中で過剰に増えればニキビや吹き出ものができてしまいます。一方、肌のバリア機能を守るには弱酸性に保たれていることが必要ですが、アクネ菌は、肌を弱酸性に保つ脂肪酸を作り出す菌でもあるため、減りすぎてしまうと肌荒れの原因になってしまうのです。 (一部抜粋)

ほかにも、専門家による解説「元気で長生きしたいなら、「酪酸菌」を増やすべし」、「おいしく食べて腸を整えるお手軽メニュー10
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[読みもの]

〈現場からは悲鳴が〉
暮らしを守る介護保険、
改悪は許しません!

上野千鶴子×樋口恵子

2000年4月にスタートした公的「介護保険制度」。それまで家族頼みだった介護を社会全体で支えるべく施行され、多くの人に利用されてきた。しかし、3年ごとの制度改定や介護保険法の改正のたびに、サービスの切り下げと利用者の負担増が続いている。制度の誕生にかかわった樋口恵子さんと、介護の現場を取材し続けている上野千鶴子さんがいま抱く危機感について語り合った

上野 私は、介護保険制度は、ここ何十年かのあいだに日本で達成された改革のうち、もっとも国民の声を聞き、暮らしを変えた制度だと思っています。家族介護を公的なサービスに移行することで、高齢者や家族はどれほど救われたか。樋口さんは介護保険制度の成立に大変尽力されましたね。

樋口 日本では伝統的にずっと「介護を家族がやるのは当然だ」とみなされてきましたから。

上野 家族、それも、「女」です。

樋口 3世代が同居する家庭では、介護はもっぱら「嫁」の役割でした。1990年代、私は講演で全国を回りましたが、農村部でも都市部でも、自分を犠牲にしてきた女性たちの話をたくさん見聞きしました。妊娠したら介護のために中絶させられた、というケースもあったのです。「介護自殺」「介護殺人」といった新聞記事を頻繁に目にしたのもこの頃です。介護の負担を女性や家族だけに負わせていいのか、いや、社会全体で支え合う制度を作らなければと、「介護の社会化」を旗じるしに仲間たちと取り組み始めた。それが介護保険法成立を目指した出発点です。

上野 その頃は、「家に他人を入れるなんてありえない」という風潮。政治家の「子が親を看る美風」という発言もありました。 (一部抜粋)

 

[グラビア]

大切な人とは深くつながり、深く愛したい
香取慎吾

俳優や歌手として活動する一方、アートの分野でも才能を発揮するなど、ますます活躍の場を広げる香取慎吾さん。日々多くの人と向き合うなかで、相手との関係を良好に保つために気をつけていることとは

稲垣吾郎、草彅剛とともに「新しい地図」を立ち上げ、あっという間に5年が経ちました。あのとき、「ここから新しい道を歩き始めるんだ」と人生を大きく変える決断をしたはずでしたが、その後のコロナ禍でさらにいろいろなことが変わってしまって。当たり前だと思っていた日常は当たり前ではなかったのだと、あらためて気づかされた期間だったと思います。

先日、セカンドアルバムを引っさげて東京・明治座からスタートした公演「香取慎吾 二〇二二年 東京SNG」が、京都劇場で無事に千秋楽を迎えました。コロナ前と大きく変わったのは、お客さんの前でステージに立てるありがたみを強く感じるようになったこと。客席は声を出せない状況なので、「みんな、まだ“黄色い”声援出せるよね?」なんて冗談を言いつつ、マスクの下の笑顔はしっかり見えていて嬉しくなりました。以前のような心おきなく騒げる日常が、一日でも早く戻ってくるといいですね。 (一部抜粋)


他にも、

〈『ベルサイユのばら』誕生50年〉
3世代に読み継がれる幸せ
池田理代子

〈五十の手習い〉
ネガティブを抜け、いま小説を書く
国生さゆり

〈長崎市で被害に遭った記者が明かす〉
職務中の性暴力から15年。
勝訴判決を摑んで

〈宝塚 すみれ色の未来へ 月組〉
ミュージカル
『グレート・ギャツビー』
月城かなと・海乃美月

〈酒井順子の「大人は知りたいことばかり」〉
温暖化で地球はどうなる?
ゲスト◎渡部雅浩

〈漫画アンソロジー〉
「女どうし」
アネイモ
内田春菊①

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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