同じ悩みをもつ「仲間」の存在
第一部では新聞、テレビ、雑誌、デジタルなど19のメディアへの表彰が行われ、第二部では、「芸能人の薬物事件 ~報道のあり方を考えよう!~」と題し、当事者と専門家の座談会が行われました。
特別ゲストに、2017 年 に覚醒剤取締法違反(所持)の現行犯で逮捕された俳優の橋爪 遼氏を迎え、高知東生氏 (俳優)ファシリテータの松本俊彦氏(国立精神 神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 部長)、田中紀子氏(公益社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会 代表)が登壇。
橋爪遼氏が事件後メディアの前で語ったのは、今回が初めて。
「現在の心境や生活」「なぜ覚せい剤を使用したか」などのストレートな質問にも、現在も自助グループに参加しながらアルバイトをしていることや、当時の正直な気持ちについて真摯に語りました。 若い頃には合法のドラッグを使用していて、「これをやってるならこれも大丈夫…」と考えてしまったそう。
高知氏も、橋爪氏も、事件当初はひたすら謝ってばかりだったり、周囲の言葉を信じられなかったりしたものの、回復していく過程には、同じ悩みをもつ「仲間」の存在や助けが大きかったと言います。専門家の立場からも、「再起をさせない社会は意味がない」「元いた場所に戻り、かつての夢を追いかけられることが必要」などの意見が出され、和やかな雰囲気で会は終了しました。
社会もメディアも、依存症について正しい理解をし、当事者に接していくことが必要となります。高知氏、橋爪氏は今後も、薬物依存の啓発のために活動をしていく予定です。