2022年11月号
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[特集]
目、歯、骨
60代からの元気を支える3つの鍵

年を重ねればあちこちにガタがくるのはしかたない。そんなふうにあきらめていませんか? けれど、モノがよく見えなくて疲れる、ご飯が美味しく食べられない、膝や腰が痛くて動くのがおっくう……という状態が続けば、快適で楽しい生活ができているとは言いがたいもの。なかには、単なる老化ではなく、大きな病が隠れていることもありえます。この先の人生をいきいきと元気に過ごすために、正しい知識を得て、早めの対策と適切なケアを心がけましょう

●注目記事●

〈90歳と85歳のパワフル夫婦〉
元気ハツラツの秘訣は「筋トレ」と「ブロッコリー」
大村崑×岡村瑤子

結婚62年になる大村崑さん、岡村瑤子さんご夫妻。夫は若い頃から病気がちで虚弱、妻は背骨を骨折するなど、決して健康とは言えない状況でした。ところが、筋トレを始めたとたん、体に変化が表れて──

崑 筋トレを始めてあっという間に4年以上が経ちました。瑤子さん、その節は、嫌がる僕を無理やりジムに引っ張っていってくれてありがとう。

瑤子 まあ、大げさ(笑)。当時は一緒に外出するたび、あなたがゆっくり歩くのが気になっていたの。ふと振り返ったら、電柱にもたれて休憩していたり。

崑 僕は19歳の時、結核を患って右肺を取っているから、ずっと息切れに悩まされてきたんです。80代という年齢もあり、足腰も弱っていて、どんどん歩くスピードが落ちていた。

瑤子 通りかかった女性に「大村崑さんですよね。どうなさったんですか?」と心配されたこともあったでしょ。

崑 「どこかお悪いんですか?」と声を掛けられたね。あれは、情けなかった。

瑤子 それにしても、あんなに嫌がっていたのに、ライザップで綺麗な女性にカウンセリングしてもらった途端に「わかりました。入ります」って心変わり。

崑 僕が綺麗なお姉さんに弱いの、知ってるでしょ。

瑤子 トレーナーさんとの相性がよかったよね。孫のような年齢の男性だけど、今では「スーパーマン」と呼んで慕っているぐらい。

崑 僕みたいな後期高齢者は珍しいから、スーパーマンも気を使ったと思う。でも、しっかり追い込んでくるからね。スクワットが5回できたら次は6回、6回できたら7回。背負うバーベルも、10キロから始めて20キロ以降は5キロずつ増量している。スーパーマンは、僕の顔色や体調をしっかり見ていて、「今日は40キロに挑戦しましょう。奥さん、35キロを上げていますよ」。「え、瑤子さんが35キロ? ほな、負けてられへん」となるわけ(笑)。あなたは負けず嫌いが過ぎますよ。 (一部抜粋)

他にも、中村メイコさん、南杏子さんの対談「不調に早めに対処していきいき老後を!」、専門医が読者の疑問に答える「その生活習慣、大きな間違いです」、一条ゆかりさんのインタビュー「緑内障とつきあいながら、体づくりも菜園づくりも」、「〈骨ホルモンの分泌も促す〉「新聞紙体操」で転ばない体を目指そう」など。
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[第二特集]
読者ノンフィクション傑作選
涙の数だけ強くなる

読者が自らの体験を綴った、本誌恒例「読者ノンフィクション」企画。多数ご応募いただいたなかから珠玉の6篇を選び、2号にわたりご紹介します。今号は、どんな困難な状況でもあきらめず、ひたむきに努力する3人の女性の手記です
3編は「がん闘病は、二人三脚。夫と食べたおにぎりの味を忘れない」、「パート代で学費を捻出、英語翻訳者への夢に突き進む」、「53匹の命を救え!「保護猫詐欺」被害者たちの奮闘記」。
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[読みもの]

〈名優たちの転機〉
聞き手・文◎関容子
野村万作

演劇の世界で時代を切り拓き、第一線を走り続ける名優たち。彼らの人生に訪れた「3つの転機」とは――。半世紀にわたり彼らの仕事を見つめ、綴ってきたエッセイストの関容子が訊く

『釣狐』と言えば、野村万作師の名演をおいて他にない。伝統芸能の世界に身を置きながら、さまざまな分野に敢然と挑み続けた結果、今の円熟した芸境に到達した、と言えるのだろう。

そこには、シェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』をお能の観世寿夫師 と二人で、混じり合うかのように踊る情熱の舞台に眼を瞠った、昔の私の思い出も共にあって。

――あら、それはすごい。昭和三十年でしたよ。

 たしかに自分は狂言の家に生まれて、三歳から稽古を始めた『靭猿』で初舞台を踏んで。

 祖父(初世野村萬斎)に習ってたころは優しいお稽古で、よくご褒美を買ってもらったりしてましたが、小学校に入ったころ、祖父が亡くなって父(六世野村万蔵)のお稽古になったら、厳しくて厳しくて。近所の学校友達と遊んでいると父が探しに来て、「稽古だ」って、耳を引っ張って連れて行かれる。それが嫌で嫌で、稽古にも身が入らなくてメソメソしだすと、親父はいなくなっちゃう。で、暗くなると父の母親が、「ご飯お上がり」って助けに来てくれる。

 そんな状況で、中学に入ったら同級生に演劇好きがいましてね。そのへんから少しずつ演劇ってものに興味を持ちだしました。それまでは映画も芝居もまったく観せてもらえなかった。 (一部抜粋)

 

[連載]

〈酒井順子の「大人は知りたいことばかり」〉
翻訳家の“言葉を選びとる力”
ゲスト◎岸本佐知子

海外文学を読む時、文化の違う遠い国が舞台であっても、そこに描かれている情景をありありと思い浮かべることができるのは、翻訳の力によるものです。どう言葉を探し、紡いでいるのか。あまり知られることのない仕事の裏側を、翻訳家の岸本佐知子さんに酒井順子さんが聞きました

酒井 読書の秋がやってきました。今日は、英米文学の翻訳家である岸本佐知子さんに、翻訳の仕事についてや言葉との向き合い方など、いろいろとおうかがいできたらと思っています。

岸本 今日は、お話しできるのを楽しみにしてきました。

酒井 海外文学ファンのなかには、翻訳家の名で作品を選ぶ人が少なくありません。私も、作家の名前は知らなくても、岸本さんの訳なら面白いに決まっている、といつも“岸本買い”しています。翻訳する本はどのように選んでいるのでしょうか。

岸本 出版社から依頼されることもありますが、私の場合は、翻訳してみたいと思った本を出版社に提案することが多いですね。

酒井 岸本さんが翻訳し、2019年に出版されたルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』は大きな話題になりました。3度の結婚と離婚をし、4人の子どもを育てたシングルマザーの著者が、自らの体験を軸に物語を紡いだ短編集ですが、心の中の沼からすくい出したような強い言葉に摑まれました。ルシアの作品を岸本さんが「発見」されたきっかけというのは?

岸本 彼女の原書を読んだのは10年くらい前のこと。私が何冊か翻訳しているリディア・デイヴィスという作家が彼女のことを絶賛している記事を読み、その存在を知りました。作品を取り寄せて読んでみたら、あまりの面白さに心を撃ち抜かれまして。 (一部抜粋)

 

[グラビア]

〈ジャニーズの異色アイドル4人組〉
たくさんの「初めて」に挑戦したい
ふぉ~ゆ~

ジャニーズJr.として活動するも、CDデビューしないままに2017年、Jr.を卒業したふぉ〜ゆ〜。舞台のほか、近年ではお笑いのM–1グランプリに挑戦したりと、活躍の場を多方面に広げています。魅力あふれる4人の素顔を取材しました

他にも、

〈大河ドラマの愛されキャラで大注目〉
次なる目標は、歌舞伎をもっと世界へ!
坂東彌十郎

〈ルポ 家は破壊され、家族と引き裂かれ――〉
ウクライナ、日常が奪われた町
玉本英子

〈令和四年「中央公論文芸賞」発表〉
青山文平『底惚れ』

選評・浅田次郎/鹿島茂
林真理子/村山由佳

〈写真でみる時代の空気とその仕事〉
追悼・森英恵さん
真のエレガンスを追求した人

文◎宮智泉

〈宝塚 すみれ色の未来へ 月組〉
ミュージカル
『グレート・ギャツビー』
月城かなと・海乃美月

〈宝塚 すみれ色の未来へ 宙組〉
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE
『HiGH&LOW  ―THE PREQUEL―』
ファッシーノ・モストラーレ
『Capricciosa!!』
真風涼帆・潤花

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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