父が亡くなって6年後に母も亡くなった。家族葬だったが、父のときに文句を言ったので、姉も今度は香典を包んできた。四十九日が終わってしばらくしてから、姉に相続の話をすることに。父が亡くなったときはお金さえもらえればよかったようで、家や宅地、田んぼの名義変更は後回しにされていたのだ。
私が、「貯金を分けるとき、100万円くらい余計に払うので、土地と家の名義を私に変更したい」と持ち掛けると、「不動産は売ろうと思えば売れるものでしょう? 固定資産税の明細を見せて」と言う。明細を見ながら、渋い顔をしつつも「印鑑証明をとってくる」と了承した様子だった。しかし翌日、固定資産税の明細を貸せと言ってきた。義兄がじっくり見るということか。
それから1ヵ月近く経ち、A4サイズの書面を持って姉がやってきた。固定資産税の明細のコピーではなく、なんとエクセルに入力して作り直した一覧表だった。
「こういうことはきちんとしないとあとあと揉めるもとだから、この金額は払ってもらわないと!」と、評価額の合計を指さすではないか。市の出した明細には課税標準額の合計しか載っていないので、評価額の合計が高くなるように、わざわざ義兄が一覧を作ったのだと後でわかった。
「こんなに払えるわけないやろ」と明細を投げつけると、「あんたはわからない人やな」と姉。「もう、名義なんか変えなくていいわ」と言えば、「何? 名義変えんと、ここにタダで住み続けるつもり? それはいかんで。金払え」。
実家には五反ほどの田畑があり、除草作業に苦労していて完全に負の遺産だ。家屋も古い。田んぼはもちろん、遠いから家もいらないと言っていたくせに!
私は何ヵ所か法律相談に行き、親戚にも相談した。ある親戚は、お金なんか払わなくても放っておけばいい、と言ったが、結局、姉が100万円でもいいと譲歩し、なんとか名義変更できた。
取り立て屋のように、とことん搾り取ろうとする姉夫婦。きょうだいといっても他人以下だ。両親も亡くなり、母の一周忌も済んだ今、つきあう必要はないので、きっぱり縁を切りたい。