(イラスト:あべさん)
2022年10月26日の『ABEMA Prime』では、ryuchellさんをMCに、ハヤカワ五味さんらと大人になってからの〈きょうだい〉の在り方、距離感について考える特集【大人になっても兄弟仲良くじゃないとダメですか?】が放送されます。そこで今回、『婦人公論』22年9月号に掲載して反響を得た「きょうだいと絶縁を決めた理由」をテーマにした読者の体験手記を再配信します。

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日本できょうだいのいる人の割合は年々減少しています。1986年には、子どものいる家庭のうち、2人きょうだいの割合が22.3%、3人以上きょうだいがいる家庭が7.7%だったのに比べ、2013年にはそれぞれ10.1%、3.2%と半数以下に。1982~2002年の統計では1割に満たなかった一人っ子が、2005年以降は晩婚化や少子化の影響で急増、2018年は18.6%と増えています。親の期待や介護、すべてのことが肩にのしかかる一人っ子も大変ですが、きょうだいは心強い助けにもなればそうでない場合も…。同じ親から生まれても、お互いに配偶者を持ったり、長年別々に暮したりすれば他人同然。かけがえのない存在が憎しみの対象になることも。岡江暁子さん(仮名・東京都・主婦・68歳)も、弟に頭を悩ませています。

母の存在が重荷だったとは思いもよらず

私は3人きょうだいの長女ですが、隣県に住む5歳下の弟のことで悩んでいます。6年前、91歳だった母を引き取り、今は夫と3人暮らしの私。それまで母は、弟が建てた家で20年あまり同居していました。「私は幸福だ」が口ぐせで、義妹ともうまくいっていた様子。私が小姑で苦労したので、義妹にはそのような思いはさせまいと努めてきました。

母は買い物、洗濯、掃除と、自分のことは何でもできたため、義妹にしてもらっていたのは、夕食を一緒にとることぐらい。同居といってもほぼ別居のような生活でした。

しかし、義妹の父親が地方でひとり暮らしになり、母の存在が弟夫婦にとって重荷になってきたようです。彼女は、「父が心配だから一緒に暮らしたい。姑がいなければできるのに」と考えていたのでしょう。

弟から「お母さんの面倒をみてあげてね」と言われたことはありましたが、同居が負担になっていたとは思いもよらず、気にかけていませんでした。そんな折、義妹の父親が孤独死のような形で亡くなり、弟夫婦の態度が豹変したのです。

お供え物を持ってお線香をあげさせてもらおうと訪ねたところ、「お返しが大変だし、結構です」と断られました。私は傷つき、「そんなつもりで来たのではないわ」と反発。

私が時折、母の様子を見に訪れていたことも気に入らなかったようです。いつも車で送迎し、「また、遊びに来てくださいね」と優しい言葉をかけてくれたのに……。