舞台とは「極端なことを言うと接客」

タイトルに「演出論」とあるが、「なるべく簡単に手軽に説明できるように作った。難しい言葉は使わず、この本を読んで若い人が演劇の世界に足を運んでくれたらいいなという思い」とカジュアルにまとめることを意識。完成した本を見て、「意外にもわかりやすく書けているのではないか」と胸を張った。

舞台とは「極端なことを言うと接客」であると話す錦織。

「舞台の演技では必ずお客さんがいる。僕らは料理できないし、カクテルを出すわけにはいなない。その代わり歌ったり踊ったりする。それを精一杯やって接客としてやらせてもらっている。舞台の共演者もいるけど、お芝居はお客さんとやったほうがいいんです。間合いもお客さんとのものであって、出演者同士のものではない」と持論を展開。

錦織一清「この本を読んで若い人が演劇の世界に足を運んでくれたらいいなと」(撮影◎田中景子)

「そのことに若い人は早く気付いてほしい。先輩としてこの本でお手伝いができたらいい」と願った。