広々としたエントランスで、アンパンマンが来館者をお出迎え。移転オープン初日の日曜日は大勢の家族連れが来館し、思い思いに楽しんでいた(撮影◎北村森)

 

専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、商品ジャーナリストの北村森さんが、「横浜アンパンマンこどもミュージアム」を解説します。

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◆7月に移転リニューアル。親子連れにより優しく

2019年は、新スポット登場の当たり年。インバウンド需要増も背景にありそうです。この欄でも「ムーミンバレーパーク」や「MUJI HOTEL」のことを綴りましたね。

今回は7月に移転リニューアルしたばかりの「横浜アンパンマンこどもミュージアム」の話。横浜駅から徒歩10分と、より便利な場所になりました。では中身は何が変わった?

まず、入館料が上がりました。1歳以上が2200円(税込)と、移転前に比べて700円の値上げ。家族で訪れるとなると負担増ですが、その値上げ分だけ進化したか、気になります。

建物は3階建て。有料のミュージアムは3階に集中した構成です。フロアのほぼ中央にショーの舞台があり、座って見られるスペースが広くなりました。客席空間までキャラクターがやってくる演出も嬉しく、移転前にもまして迫力があるかと思います。また、同じ3階に展示される「アンパンマンごう」などのオブジェにも注目。姿が大きくなりました。ボールや軟らかな床を使った遊具も充実度を高め、子どもが身体を動かせる設備も十分。

ただ、ファンによっては「キャラクター像の展示が少なくなった」と感じる方もいるようです。移転後はイベントやワークショップなど、より体験型の内容を重視したのかも。

一方、新しい建物は、広場も屋内に配置されたので天気を気にせず済みますし、入館チケットは前日までにネット購入可。トイレなどにもアンパンマンの世界を感じさせる装飾を凝らすほか、男性トイレにも全個室にベビーチェアを備え、授乳スペースも親切につくられているなど、配慮には抜かりがない。

入館料の値上げは痛いものの、そのぶん、少しずつ親切になった感があります。夏休みの思い出をつくる、いい選択肢と思いますね。