ピルは、生理の負担を減らすひとつの選択肢
高尾 低用量ピルとは、エストロゲンとプロゲステロン、2種のホルモンが配合された錠剤です。
女性の身体では約28日前後のサイクルでこのホルモンの量が変動しながら分泌されるのですが、それを錠剤として内服することで、脳が「いまホルモンが十分に分泌されているぞ」と錯覚し、これ以上出す必要はないと判断します。
そうすると排卵が起きなくなります。
大吉 排卵しないということは、妊娠もしないということですよね。
高尾 そう、妊娠の準備もいらないので子宮内膜は厚くなりません。それを排出するために子宮を収縮させる必要もないから、生理痛も起こりにくくなります。
過多月経で悩んでいる人も、ピルによって経血量が少なくなることが期待できますね。それで妊娠したいタイミングがきたら、ピルをやめる。そうするとまた脳が女性ホルモンを分泌するよう指令を出し、排卵も再開します。
大吉 ぼくは番組でピルの説明を聞いたとき、スッと入ってきたんですよ。
だけどいまでもそうした話を聞く機会に恵まれず、最初にインプットされた「ピル=避妊しなくていい」っていう情報で止まっている男性はかなり多いと思います。
それで自分の娘がピルを飲むと聞いたら、「大丈夫だろうか」とオロオロする……。これじゃ、どっちにとってもいいことないですね。
高尾 低用量ピルを内服するというのは、生理期間を不調に悩まされず過ごすための選択肢のひとつなんです。
一方で、毎月生理を経験するのも、ひとつの選択肢。いくつかあるなかから選択する前に、まず「知る」というステップがあるんですが、世代によってはここにひとつハードルがあると感じますね。