●バブルのつけがまわってきて

不動産業を手広く営んでいた義父はバブル時代に超立派な墓地を購入。金にあかせて菩提寺の真ん中に墓を建てました。羽振りのよさを誇示するように、当時はお寺にもたっぷり寄進していたようです。しかしバブル崩壊で倒産し、借金まみれに。長男である夫が両親を引き取りました。

余裕のあるときは、気前よく寄進して檀家の中でも大きな顔をしていた義父ですが、生活が苦しくなってからはお墓の立派さだけが際立って、肩身が狭そうにしていたもの。それでも建ててしまったお墓は手放せず……。

結局、今は義父母ともにそこに眠っています。跡継ぎとなって驚いたのは、墓所の年間管理料の高さ。通常は年間1〜2万円のはずですが、管理料だけで10万円。そのほか、法事やお寺の行事ごとに10万円単位でお布施を要求されるので、お寺さんとのつき合いだけで年間40万〜50万円はかかります。

こんなお墓、維持していけません。(56歳・パート)

 

●2泊3日の墓参り旅行

父(78歳)の実家の墓は、九州の山奥の奥の奥。墓参りに東京から最低2泊3日はかかります。幼い頃から、お盆は家族総出で墓参り旅行、というのがわが家の習慣。そして、「俺も最期はここに帰ってきたい。そうしたらお前たち、毎年会いにきてくれよ!」というのが父の昔からの口癖なのです。

姉はオーストラリア人と結婚して海外暮らし。結局、次女の私が墓参り旅行に同行し続けています。私の子どもが小さかった頃は、ちょっとした家族旅行気分で満喫できました。しかし、子どもたちが独立して家を出てからは、両親と私たち夫婦の4人。老体に鞭打っての墓参り旅行は、体力だけでなく時間も費用もかかりヘトヘト。

「近くの納骨堂を購入してそこに入って」と頼んでいるのですが、頑として聞き入れてくれません。

両親が亡くなって九州のお墓に納骨したとしても、今のように墓参りはできないし……将来どうなるのか心配。(50歳・小学校教諭)