阿川 お客さんの反応や批判を引きずることはないの?
清水 客席アンケートは読むとけっこう当たってる指摘もあるから、そこは直そうと思ったりするよ。SNSは見ないけど。
阿川 えらいなあ。私、ある本を出したときに、出版社の人が読者カードを届けてくれて。「こんなに来たんだ」って喜んで読んでたら、1枚だけ「買って損した」という感想があって。
平野・清水 あはははは。
阿川 その瞬間は「やっぱり私ってダメなんだ」と落ち込むんだけど、時間がたつと、こうやって笑い話になるじゃない!?
清水 そうそう。だから私、旅行先とかでも、イヤな目にあったら必ずメモしてる。ネタになるから。
平野 時間が解決することもあるね。怒ったり落ち込んでばかりいたら、絶対いいことないもんね。笑う門には福来たるって言うけど、ほんとに、大声で笑っていればいいことがいっぱい来るのよ。
清水 そうだよねぇ。
平野 和田さんがいなくて寂しいなと思って、鏡をふと見たら、口がへの字になっちゃってて。そういうときは、わざと鏡に向かって笑っちゃう。「スマイル、スマイル」って自分に言い聞かせるの。すると、心までスマイルになっちゃうんだよね。
清水 私は、「ミッちゃんの素直なところはいいですね」とか、ほめ言葉を必ずメモする。落ち込んだときに見ると、「なに、いいところもあるぞ」と思えるから。
阿川 メモするの忘れそう。(笑)
清水 アクシデントやイヤなことはネタにして笑って……。
阿川 ほめ言葉は自分へのご褒美にする。
平野 あとは万事テキトーに!
清水 今日は私たち、テキトー・トリオ誕生ってことで。 よく笑って本当に楽しかった!
ヘアメイク:
田中舞子(阿川さん)
スタイリング:
中村抽里(阿川さん)
阿川さん衣装:ワンピース/クチーナ(ルッカ)、アクセサリー/ラ・キアーヴェ(ドレスアンレーヴ)
出典=『婦人公論』2023年2月号
阿川佐和子
エッセイスト、作家
1953年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。99年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力――心をひらく35のヒント』が年間ベストセラー第1位、ミリオンセラーとなった。14年、菊池寛賞を受賞。『老人初心者の覚悟』『ないものねだるな』『母の味、だいたい伝授』ほか著書多数
最新刊『話す力 心をつかむ44のヒント』が好評発売中
清水ミチコ
タレント
1960年岐阜県生まれ。モノマネをはじめとするお笑いにとどまらず、女優、司会、エッセイ執筆など幅広く活動。『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京系)、『ラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)にレギュラー出演。YouTube「清水ミチコのシミチコチャンネル」で撮り下ろしネタを公開。著書に『カニカマ人生論』『まるい三角関係~三者三様おしゃべり三昧』などがある。全国ツアー「清水ミチコアワー ~ひとり祝賀会~」を開催中。詳しくは清水ミチコHP4325.netをチェック!
平野レミ
料理愛好家
東京都生まれ。文化学院在学中からシャンソン歌手に。イラストレーターの和田誠さんと結婚。料理愛好家としてアイデア料理を発信。『平野レミのオールスターレシピ』『おいしい子育て』『家族の味』『ド・レミの子守歌』など著書多数