この記事の目次
死者・行方不明者の多くは60歳以上 モノを減らしてけがをしない部屋に
無駄足でも安全のため避難を
こんな時どうしたらいい?Q&A Q1 自宅に留まるべき?避難するべき?避難のタイミングが知りたい Q2 被災後、自宅で過ごす場合、何に気をつければいい? Q3 避難所暮らしを余儀なくされたら、何を持っていくべき? Q4 最低限備蓄しておいたほうがいいモノは? Q5 災害に備えるなら、どんな寝室が理想? Q6 防災グッズはどこに置けばいい?

無駄足でも安全のため避難を

最後に、「避難」についてお話しします。避難と聞くと、体育館などに身を寄せるイメージがあるかもしれません。けれど、避難所に行くケースのほか、自宅に留まる「在宅避難」があります。避難をするタイミングも、「地震災害」と、台風や洪水などの「風水災害」では異なることを覚えておきましょう。

まず、地震は前触れなく起こるため、事前に避難することはできません。一方の台風や水害は予測できるため、危険が迫る前に避難することが可能。ここで重要になるのが、「ハザードマップ」の事前確認と、「避難のタイミング」です。

ハザードマップとは、災害による被害を予測し、その範囲を地図化したもの。自宅がある場所は浸水や土砂災害のリスクがあるか、避難場所はどこかなどがわかるようになっています。大雨や土砂災害などから身を守るには、このハザードマップが非常に有効ですから、見たことがないという人は、お住まいの自治体のHPなどで必ず確認しておきましょう。

次に、避難のタイミング。災害が起こると、テレビなどで警戒レベルが表示されますが、「どのタイミングで避難すればいいの?」と悩む人もいるでしょう。高齢者の場合は、「警戒レベル3」が出たら、安全な場所に避難することと、2021年に定められています。

警戒レベル3は、風雨が強くなる前に出されるため「避難所に行っても誰もいなかったらどうしよう」「まだそんなに雨は降っていないのに……」と躊躇する人がいるかもしれません。しかし、たとえ無駄足だったとしても、この判断が非常に重要ですから、必ず守ってください。

加えて、高齢者の防災対策として重要なことは、日ごろの健康管理と、近所の人とのコミュニケーションです。健康か否かは、被災後の高齢者にとって「生死を分ける」と言っても過言ではありません。近所との交流はひとり暮らしならなおさら必要です。災害時に「Aさんがいない」と捜してもらえますし、被災後に助け合える知人がいることは心の支えになるでしょう。地域の集まりなどには、積極的に顔を出すことをおすすめします。

備えあれば憂いなし。シニアの防災は、準備しているといないとでは、大きな差が出ることを覚えておきましょう。