老後に資金がショートするのが不安

でも、「老後の生活」を考えた時、ここはできれば削りたくありません。海外旅行よりも、ファッションや美容よりも、私にとっては重要です。あと、お金に余裕があるならば、若い頃から集めてきたアートや骨董も買い足したいと思っています。

これらの数字を聞いた上で、Y氏は、老後の生活費を、家賃(またはローンの返済額)も込みで概算してくれました。詳細なシミュレーションをしないと正確には分からないとしつつも、長生きリスクを考えても、死ぬまで資金がショートせずに行けそうとのことです。ほっと一安心。そのうえで、マンション購入に関しては、最終的に買わない・買うの二つの道がある、と提示してくれました。

(1)ずっと賃貸で行けるところまで行く。将来、80歳くらいになって借りられなくなったら、最後の家をどかんと現金買いする、または老人ホームを現金買いする(ちなみに、老人ホームの施設費は、月約30万円+入居一時金が都内なら2000万~5000万円かかります。もちろんピンキリです)。
→この場合は、80歳までに「現金買い」が出来るほどの資産を築けるかどうかが重要になる。

(2)いま住宅ローンを組んで物件を買う。将来、80歳くらいになったら、その物件を売り払って老人ホームの資金にする。
→この場合は、購入物件は25年後に売れる物件じゃないといけないから、高くても価値のある物件を買わないといけない。築年が古すぎず、(1982年以降建築の)新耐震で、地上権のような難しい条件のものではなく、25年後に売却する相手もローンが組めそうな物件。そのためには、手持ちの資産を取り崩してでも頭金を増やして、総予算を上げたほうがいい。予算を上げて、駅近で、築浅で、将来も絶対売れる、売りたい時にしっかり売れる物件を購入する方が良い。

Y氏の話を聞きながら、結局、自分で決断しないといけないと思いました。資金的に(1)賃貸(2)購入、どちらでも老後を切り抜けられるのならば、やっぱり(2)の買う方に気持ちは傾きます。でも、そこで立ち止まってしまうのが「手持ちの資産を取り崩す」という部分です。「老後に資金がショートするのが不安なので、なるべくなら、金融資産は取り崩したくないんですよね」と訴えると、Y氏は言いました。「何のためのお金ですか?」と。