母の財産をめぐり兄妹で知恵比べ
そんな火の車生活でも、子ども3人をお金のかかる都会の私立大学に入れ、さらには海外留学(遊学?)までさせた兄。そのすべてが、兄嫁の母がスポンサーだというから驚きです。しかし兄は子どもへの仕送りどころか、自分の小遣いにも困り、会社の集金に手を出す始末。当然クビです。
そうなると、いよいよ頼みの綱は母のお金。兄が来るたびに大量の諭吉さんが財布から消えていったのでした。でも、母親というのは甘えてくる息子ほど可愛いものなのですね。父が亡くなるまで兄の浪費ぶりを内緒にし、その後も貸し続けたのでした。
母が自分の過ちに気が付いたのは、貯金が半分になったとき……。でも、「時すでに遅し」というものです。
最近では、母に生前贈与を要求してくる兄。最初は私と兄妹ゲンカもしましたが、今は知恵比べです。私は、90歳を過ぎて認知症状態の母に成年後見人を付けて「家庭内オレオレ詐欺」に対処。今のところ私が優勢です。
しかし、兄もさることながら、その息子も恐ろしい。
「じいちゃん、ばあちゃんのお金は残しておいても、あの世には持っていけない。だから使い切ったほうがいい」
「お金を使うのは、子どもと孫の権利」
そう言い放つ甥は、まるで兄のコピー。金銭感覚がまったくもってそっくりなのです。そのくせいつも「お金がない。お金がない」と言っているから呆れます。正社員で働いているのに、給料やボーナスはいったいどこにいってしまうのでしょうか。
今や、兄一家の豪華な生活を支えていた兄嫁の母もパーキンソン病で寝たきり状態に。兄嫁が同居して在宅介護をしていますが、保険の利かない漢方薬に高級流動食、介護保険外サービスと、贅沢介護を実行中です。
年金生活の母を在宅介護しているつましい我が家は、介護保険内のサービスしか使っていませんが、それでも結構充実しています。
時代は変わったのに、兄一家の頭の中はいまだにあの頃のまま……。
声を大にして言いたいのです。
「いつまでも続くと思うな、バブルと親のすね」