清水 たぶん、生物的に合わないんじゃないかな。

田中 そう、ヘビとカエルなんですよ。俺たちはカエルだから、ヘビの前で一瞬ビクッてなるのはもうしょうがない。

山根 一応「咬まないよ」とは言われてるんだけど。

田中 ちょっとずつ目を見ながら、「本当に咬まないのかな」って常に思ってる。

清水 はははは。情けなーい。

田中 でも、いろいろな人が集まるのが芸能界だから、しょうがないですよね。

清水 昔はもっとこわい人がいっぱいいたよ。その人が現場にきた途端、周りの空気がピーンってなるような。

田中 今は「咬まないヘビ」だらけの時代になって、俺らにとってはほんとよかったです。

 

コンビで、足し算以上のパワーに

清水 さっきのネタ作りのやり取りを聞いて、2人は「わかり合った夫婦」みたいだなって思った。ほら、日課みたいに派手なケンカを繰り返してても、絶対に別れない夫婦っているじゃない。今まで解散の危機はなかった?

田中 それはないですね。山根と組む前、1年くらいですが、背の低い子と凸凹コンビを組んでいたことがあるんです。その頃、事務所にどれだけネタ見せに行っても、作家さんたちが毎回「まあ、もうちょっとだね」っていう感じで、アドバイスももらえなかった。ところが山根と組んだら、まだネタを見せてもいないのに「えぇぇぇ! 君たちどこで出会ったの?」って急激に食いついてきて。

清水 すごいね。何もしてないのに。って、山根さんダイヤモンドじゃん。

山根 俺はただ立ってただけなのに。

田中 いざネタをやったら、「けっこう面白いね」って言われて。中身がそれほどグレードアップしていたとは思えなかったから、「ああ、組み合わせの力って、お笑いってこういうことか」と思いました。

清水 確かに唯一無二の組み合わせだものね。じゃあ相方がいくらネタを書かないからって、離れるわけにはいかないね。

田中 もう割り切って、せっせと書いてますよ。

清水 山根さんは安心しきっているんじゃないの? 田中さんに任せておけば大丈夫だ、って。